東日本大震災の2年後の2013年から帷子川で行われている鮭の稚魚を放流する事業でこのほど、岩手県山田町の漁協から受精卵が届き、区内の幼稚園や小中学校など30カ所ほどで育てられている。稚魚は3月10日(日)に放流される予定。
震災で大きな被害に見舞われた山田町出身で上菅田町に暮らす石崎久仁王さんの呼びかけで集まった有志らが、震災から2年後の春に鮭の稚魚150匹を放流して以来、毎年行われてきた事業は今年6回目で、漁協から提供を受けた5千個の受精卵を育てている。
帷子川はかつて「横浜で一番汚い川」と呼ばれた。取り組みは東北の震災からの復興を願うと同時に近年、アユの遡上が確認されるなど豊かな環境を取り戻しつつある同河川の状況を地域住民らに知ってほしいという狙いがある。
当初は同町から譲り受けた卵を東京海洋大学の協力を得てふ化させていたが、15年からは受精卵を区内で飼育。今年も幼稚園や小中学校などが協力し、水槽で卵の成長を見守りふ化に成功している。事業を主催する「帷子川に鮭の稚魚を放流する会」の関係者は「譲っていただいた貴重な卵。鮭はとても繊細でストレスに弱い、水温や水質の管理などに注意しながら大切に育てていきたい」と話す。
鮭は一般的に5年ほどで放流された川に戻る習性があるとされているがこれまでの所、遡上する姿は確認されていない。「初回から6年目。鮭が帷子川を泳ぐ姿が見られるかもしれない」と関係者は期待を寄せる。
各所で飼育されている稚魚は現在、3cmほどまで成長。3月10日に川辺町の親水広場で行われる放流時には7cmから10cmほどにまで成長するという。
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