横浜市内の河川に生息する生物調査の結果がこのほど公表された。区内を流れる帷子川では2014年から15年にかけて行われた前回調査時から5種増え210種の生物を確認。河川の水質向上に伴い生物の種数が増加している一方、生態系を脅かす可能性のある外来種が前回調査よりも5種増え19種見つかった。
市は1973年から3年に一度程度の頻度で6水系(帷子川・鶴見川・大岡川・境川・宮川・侍従川)で水生生物の生息状況や水質を調査している。15回目となる今回は41地点で冬季(2018年12月〜19年2月)と夏季(19年8月〜10月)に分けて、魚や昆虫、水草、藻類の生息調査を実施した。
市環境創造局環境科学研究所によると、下水道の整備などにより市内河川の水質は向上し、生物の種類は年々増加しているが、90年代以降、外来種の出現が増加し続けているという。
今回の調査で生息が確認された外来種は前回調査から8種増え、52種類(魚類22種・底生動物20種・水草10種)で最多を更新。特に魚類については確認された種の約3割が外来種だった。
西日本の固有種が
外来種の中には国外から侵入した種だけでなく、日本国内の他地域から持ち込まれた「国内外来種」が数多く含まれている。今回の調査でも「ヌマムツ」や「ムギツク」など、本来は西日本域に分布する魚の確認が相次いだ。市は「外来種が入ることで在来種と餌を競合することになる。生物生態系を保つために、引き続き外来種の動向を監視する必要がある。気軽に放たないでほしい」としている。
帷子川水系では4地点で調査を実施し、魚類27種・底生動物81種・水草2種・抽水植物7種・付着藻類93種の計210種を確認。レッドリスト等掲載種は13種だった。
外来種は19種を確認。このうち魚類は「タモロコ」「カワムツ」「ギバチ」など6種の「国内外来種」、底生動物は「ワリヌマエビ属」など8種の「国外外来種」が確認された。
水質改善は良好
水質については冬季が「大変きれい」が3地点、「きれい」が1地点、夏季は4地点すべてが「大変きれい」との評価となった。
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