市民の生活・文化に寄与する優れた技能職者を市が選定する「横浜マイスター」が発表され、横浜家具を製作する(株)ダニエル(本社・中区元町)の椅子張り職人・吉田昌義さん(月見台在住)が選ばれた=関連に人物風土記。
国家資格の1級家具製作技能士として、伝統的な椅子張工法などの高い技術が評価された吉田さん。あらかじめ枠組みされたセットスプリングが主流の中、吉田さんは椅子やソファの座面サイズや形に合わせ、複数の単独スプリングをバネ紐で結って固定する工法を行える数少ない職人だ。このスプリングのバランス一つで座り心地が変わるといい、適度な張りを残しながら、弾力ある掛け心地にするには熟練の技が必要。伝統的な横浜家具の製作や修理に生かされている。
さらに長年、県家具協同組合の技術指導や技能検定委員を歴任。ものづくりの技術継承や楽しさを伝える同社の取組「家具の学校」で講師を務めるなど、後進の指導育成にも貢献している。
最高齢マイスター(選定時)になり「今更という恥ずかしい気持ちもあるが、椅子張り一筋でやってきた自分の技術がお役に立てば」と吉田さん。元町本店内の工房では不定期で、椅子張りの実演を披露している。開催日は同社のホームページで確認。
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