県警防犯応援大使として｢防犯｣をテーマにした漫才を披露し、注意を呼びかけているお笑いコンビ｢世界事情｣の桶谷さん（左）と阿部さん（右）
神奈川県警防犯応援大使の漫才コンビ「世界事情」。２０１５年に県警が主催した「お笑い防犯グランプリ」に優勝し、応援大使に任命された。上菅田中学校の出身でボケ担当の桶谷篤さんとツッコミ担当の阿部剛さんは、「詐欺でだまされて悲しい思いをする人が少しでも減るように」と県内各地で「防犯漫才」を披露している。
全国的に増加傾向にある「キャッシュカードすり替え型詐欺」や、身内の者になりすまし「電話番号が変わった」などと伝え、再度電話し金銭を要求したり、役所の担当者や銀行員などになりすまして電話をかけ、後日訪問して金銭をだまし取る「アポ電詐欺」など、新手の手口を紹介。笑いを交えながら軽快なテンポで注意を呼び掛ける。
「手口や情報については『ボケ』を入れないようにしている。何が本当の情報か分からなくなってしまうので」と阿部さんが話せば、桶谷さんは「ネタを書いているのは阿部なので、間違ったことを言った場合は阿部を逮捕してくださいと県警の方に伝えてあります」とボケてみせた。
地道な活動着実に成果
「変な電話がかかってきて、漫才を思い出したの。内容は覚えてないんだけど『電話が来たら気を付けて』って言ってたなと思い出して」――。毎年声がかかるある自治会主催の舞台で前年も来場し２人の漫才を見たある高齢女性からかけられたこの言葉が忘れられない。「防犯漫才」を始め５年、２人の地道な活動は確実に防犯意識を高めている。
「『世界事情はきっと売れるよ』など、声を掛けてくださる方も多い。ただ、全然売れない…もしかしたら詐欺にだまされているのでは」。お笑い芸人としてウィットに富んだジョークで締めくくった。
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