寄稿 子どもたちに残してやりたい豊かな「夢の道」 川崎市議会議員 いのまた美恵
5月5日「子どもの日」から始まる児童福祉週間の今年の標語は「その一歩・未来に続く夢の道」です。今を生きる大人たちは、子ども達に希望が持てる夢の道を残していかなければなりません。しかし今日まで政治の中で進められてきた「夢の政策」は子ども達に後始末を押し付け、その時々を生きる大人の利益を求める夢が多かったようです。
1960年代頃から安全で、環境に優しく、コストが安い、「夢のエネルギー」として「原子力発電」を進めてきました。スリーマイル島、チェルノブイリ、福島の原発事故の経験は、原発が決して安全ではないと証明していますし、放射性廃棄物を何千年も保管し続けるコストを考えると、とてつもなく高いエネルギーなのです。何よりもこれから生まれてくる子ども達にその後始末とそれにかかる経費負担を残していくのです。
1970年代に入ると「夢の物質」として国が賞賛して進めた「アスベスト(石綿)」が年間35万㌧近く輸入され続け、家庭用品や建築材として身近なところにまで入り込んでいきました。しかしアスベストにより中皮腫や肺がんで亡くなる被害が多発し、近年やっと完全製造禁止となりましたが、その後始末もこれからの子ども達に残していくこととなります。
そして現在進めている「夢の超特急」リニア中央新幹線も電磁波の問題、環境破壊の問題への答えを示さないまま強引に進めていますが、そのつけ、被害、後始末はこれからの子ども達に残していくこととなります。
川崎市も目先の利益を求める夢により自然が破壊され、高層マンション群や高速道路など進められていますが、100年後、7世代後にはどうなっているのか、人口減少に向かう社会像に想像力を働かせ、本当の豊かさにつながる「夢」を残したいものです。
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4月26日