寄 稿 住民からの意見を活かすつもりがあるのかリニア中央新幹線市民説明会 川崎市議会議員 いのまた美恵
品川から名古屋までを結ぶリニア中央新幹線は、川崎市では麻生区から中原区までの16キロの地下を通過します。川崎市長は「川崎市にとって何のメリットもない。市民生活への影響が心配。JR東海は市民への説明は丁寧に行うべき」という意見を出しました。現在学校区ごとに会場を設定し、市民説明を行っています。どこの会場でも3年前聞いたのと同様の質問が出ます。手続きはこの間に工事認可まで進んでいますが、市民は3年間ほとんど情報をもらっていません。今初めて工事車両が市内のどこを通るか明らかになりました。周辺住民からは「中原街道を11年間、1時間に何十台ものダンプが通れば交通渋滞がとんでもなくひどくなる」、「武蔵野南線で残土を運ぶと言っても、今でも振動があるのに、11年間も耐えられない」「不動産屋だがリニアが地下を通れば地価が2%は下がると業界では言われている」「川崎市に設ける事務所は人もいない、電話もない。市民に対応する姿勢がない」といった地元ならではの意見が出ています。住民から出されたもっともな意見をJR東海は生かしていくべきです。
手続きばかりが先行しているのですが、そもそも論が抜けています。何億年も守られてきた日本の宝ともいえる南アルプスの自然を壊してまで、たかだか1時間早く名古屋に着く意味があるのでしょうか。一民間事業者に私たちの宝である豊かな自然を壊す権利などありません。現代を文明社会というのであれば、自然を壊さない知恵と技術をもって進めるべきです。もう決まった計画だからではなく、今を生きる大人としていつの時点であっても将来に責任ある態度を示しましょう。
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5月3日