地元のカルチャー創造拠点として、様々な話題を提供する「溝ノ口劇場」(重岡俊之オーナー)が苦境に喘いでいる。全国的に猛威を揮う新型コロナウイルスの影響次第では施設自体の運営も危ういといった状況下、観客の安全確保など懸命な努力を続けている。
客席をアルコール除菌
3月9日夜、同劇場で行われていたのは「グランドピアノの搬入作業」。翌日に控えたクラシックコンサートの開催を前に、専門スタッフによる調律と並行して、会場設営を行う劇場スタッフの手にはアルコール除菌スプレーが。客席椅子の座面や背もたれ、脚部を一つずつ丁寧に拭く姿には、観客をウイルス感染から守ろうとする強い意志が感じ取れた。
また催し当日も、体調不良の人には参加しないよう呼びかけると共に来場者にはマスクを配布。咳エチケットの徹底を図り、アルコールによる手指の消毒も全員に施し、スタッフ全員もマスク着用という”厳戒態勢”。
劇場支配人の菅野真楠さんは「昨今の社会情勢を鑑み、劇場内の清掃・消毒・換気はもちろん、客席同士の間隔を広くする等、出来る限りの準備をしています」と話す。
「出来得る最良の方策を」
大阪のライブハウスで新型コロナの集団感染が報じられて以来、同劇場にもイベント実施の可否を問う声が多く寄せられるなど厳しい運営を強いられているという。
だが大手映画館は営業時間短縮等はあるものの上映中止に至っていない(10日現在)のも事実。
重岡オーナーは「当劇場のような中・小規模の”ハコ”の中には(相次ぐキャンセルで)全国的にも閉鎖の危機に瀕しているところも多い」と説明。その上で「衛生面で来場者の安全を最優先に考え、出来る最良の方策を講じていければ」と現状下での方針を語る。同所では今月、市内出身俳優の一人芝居も予定通り実施される予定=今号・中面に関連記事=。「地元の文化」を守るべく、感染症リスクとの懸命な攻防を続けている。
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