県政報告 「ふるさと納税」について ⽇本維新の会 神奈川県議会議員 日浦 和明
「ふるさと納税制度」が創設されて10年以上。全国における寄附の受入額実績は増加の一途を辿り、近年は1兆円に迫る規模で、3年連続で過去最高を更新しました。
一方で、一部の自治体による返礼品競争により、返礼品目的の寄附が主流となっているのが実態であり、制度本来の趣旨とは異なる運用が常態化していることは否定できません。また都市部の自治体における影響も非常に大きく、神奈川県も2022年の寄附によって約177億円が流出。その額の75%は地方交付税の算定に反映される仕組みがありますので、実質額で約44億円という多額の税収が流出しています。それに対して本県への寄附額は7千万円程度です。生まれ育ったふるさとへの恩返しという制度の趣旨からすると、都市部から一定の税収が流出することはやむを得ないとは思いますが、現行の制度が続く限り県税収入は今後も減少していくことになり、このまま見過ごすことは、県民の利益を大きく損ない続けることになります。それであれば、寄附を積極的に受けていくべきではないかと考えます。
現状、県は名産品のギフトセットや体験型ツアー等の参加券の返礼品を用意していますが、例えばこれらに航空券をつければさらなる魅力的な返礼品となり、寄附の額も増加するのではないかとも思います。積極的にアイデアを出し、少しでも失った県税収入を取り戻していくことが重要ではないでしょうか?
県議会で一般質問
私は県議会一般質問の場でこれらの答弁を黒岩祐治知事に求めました。知事は、返礼品目的の寄附が主流になっている実情を認めた上で、同じように減収影響が大きくなっている九都県市とともに、寄附による控除に上限を設けるなど、ふるさと納税制度を本来の趣旨に沿ったものとするよう国に対して制度の見直しを要望している、などと説明。返礼品についても体験型ツアーを例に、神奈川の魅力を実感してもらえる観光振興策として非常に有効な手立てとし「本県の多様な体験型ツアーを返礼品として選んでいただけるよう、ふるさと納税のポータルサイトを活用してPRをより強化する」といった回答がありました。
日浦県議
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12月6日