『糖尿病と歯周病』 連携治療へ 中原区医師会と中原区歯科医師会で3月1日からスタート
中原区医師会(田中洋一会長)と中原区歯科医師会(平尾文昭会長)では、因果関係があるとされる糖尿病と歯周病の連携治療を3月1日から行っていく。先月26日には中原歯科保健センターで合同研修会を行った。
糖尿病と歯周病は、まだはっきり解明されてはいないが、「糖尿病は歯周病を悪化させ、歯周病は糖尿病を悪化させる」という理由から因果関係が指摘されている。今回の医科と歯科の連携治療の目的は、その糖尿病と歯周病患者を軽度・中等度の段階で発見し、重症になる前の早期に両疾病を治療していこうというもの。
実際に、「歯周病を治したら、糖尿病が改善した」などの報告が数多くあるため、広島県尾道市では既に医科と歯科の連携治療が進められているなど、研究を行っている機関も少なくないという。
医療機関全体で患者をフォロー
この連携治療は、主に内科医と歯科医がそれぞれ〝専門外〟である歯周病と糖尿病におけるチェックリストを使って行う。その結果を基に医科から歯科、歯科から医科へ紹介と情報提供を行う。
代表委員の一人である鈴木歯科クリニックの鈴木幸一さんは、「糖尿病と歯周病は因果関係があるとされながらも、これまでほとんど対応してこなかった。糖尿病や歯周病で悩んでいる区民の方がいる以上は、地域医療機関全体でフォローしていく必要がある」と話した。
また今後については、「医科と歯科の連携が強化されれば、無呼吸症候群や骨粗しょう症など、因果関係があるとされる他の疾病にも対応していけるのでは」とコメントした。
89の協力医、研修会で一体感
3月1日の開始を前に、先月26日に行われた研修会には約60名が参加した。代表委員が約1年かけてまとめてきたマニュアルを基に、糖尿病と歯周病の特徴や互いが影響を及ぼすメカニズムなどについて理解を深めた。また、医科と歯科それぞれの診断・治療などを共有し連携治療のフローを確認し合った他、慶応義塾大医学部歯科・口腔外科の中川種昭氏を招いた講習会も行われた。
なお、糖尿病と歯周病の連携治療への協力医に名乗りを挙げたのは、区内38の病院・医院と51の歯科医。
研修会には約60名が参加した
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4月26日
4月19日