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中原区版 公開:2011年11月11日 エリアトップへ

県の技能コンクール 亡き祖父に捧ぐ優勝 (有)川崎ハウスサービス3代目、佐藤さん

公開:2011年11月11日

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作品を手に笑顔
作品を手に笑顔

 県内の若手技術者らが日頃鍛えた腕を競い合う『第43回技能コンクール』。先月29日にパシフィコ横浜で行われ、「建築大工」部門で区内の佐藤貢平さん(23)が優勝した。

 競技課題は、難易度の高い”四方転び脚立”。制限時間内に木材を寸法よく組み立て、そのスピードと完成度を競う。佐藤さんは、年上の参加者も集まる中で見事優勝を果たし「頑張ってきたことが認められて本当に嬉しい。今後の励みにしたい」と喜びを口にした。

 現在は、大工である父の仕事を手伝いながら、川崎建築高等職業訓練校に通い技術を磨く。しかし、ここまでの道のりは平坦ではなかった。高卒で就職した大手電気会社を約1年半で退職。無職のまま家にひきこもり、精神的にも追い詰められた。自分への甘えが招いた挫折――そんな生活を一変させたのは父の一言だった。「大工やってみないか」―。祖父が興した会社の2代目として切り盛りする父からの助言に、「このままではダメだ。変わろう」と大工の道に進むことを決意。技術向上のためにと訓練校にも通い始めた。その矢先、大好きだった祖父が他界した。「工作に興味があったのは、おじいちゃんのお陰。小さい頃は木材で色々作ってくれた」。亡くなる前、「仕事頑張っているか?頼むよ、って言ってくれた。3代目を託されたんだと感じた」という。

 今回のコンクール優勝は、奇しくも祖父の一周忌。「おじいちゃんが応援してくれていたのかも。いい親孝行、祖父孝行ができたかな」。優勝トロフィーは祖父の墓前に据えたという。

 佐藤さんの夢は3代目として会社『(有)川崎ハウスサービス』を継ぐこと。「そのためにやることがある」。全国青年技能競技大会など技術者の”登竜門”に挑戦し、一級技能士の取得も目指す。「魂がこもった日本一の大工になる」と誓った。

 なお、佐藤さんが通う川崎建築高等職業訓練校事務局の本橋哲博さんは「日本伝統の大工は今、若い担い手が必要。我こそはという人はぜひ挑戦してほしい」と話していた。
 

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