川崎市は市民ミュージアムを2017年4月から指定管理者制度を使い、民間事業者に委ねることを発表した。来年4月から公募を行い、翌年4月から民間事業者による管理運営がスタートとなる予定だ。
川崎市市民ミュージアムは1988年に開館。以降、市が管理運営してきた。しかし利用者の伸び悩みや学芸員に委託していた調査研究にかかる収支バランスなどに課題を抱え、03年度の包括外部監査には「民間であれば倒産状態」という厳しい指摘も受けていた。
その状況を受けて川崎市は05年11月に、年間利用者数30万人や人件費などを含めた歳出と入場料などの歳入の割合を示す収支比率8%といった具体的な数値を組み込んだ「市民ミュージアム改革基本計画」を策定。さらに06年には初となる民間館長として博物館や美術館活動に関する豊富な経験と実績を持つ志賀健二朗さんを迎えミュージアム改革を進めてきた。
結果、02年度には約8万5千人の利用者で収支比率2・5%だったが12年度には17万人を超え収支比率も4・3%まで改善。一定の成果を上げたが、その後は大幅な成果が見られなかったため指定管理者制度の導入を決めた。同館は「人々のライフスタイル等が多様化し施設に求められるものも変化してきた。さらに飛躍させ地域に貢献するために新たな取り組みが必要であった」と話している。
川崎市は民間事業者に委託するにあたり、新たに目標を設定。年間利用者数25万人や学芸部門を一体とした管理運営体制の構築、さらに企画展などにおいてかかった費用の30%の収入を確保することを掲げた。大野秀人副館長は「指定管理になっても市民の教育や文化の発展に寄与するという方針は変えない。その方針のもと民間事業者の発想力やネットワークなどをいかしてさらに魅力的な施設にしてほしい」としている。
パブコメで市民からの意見集う
同館の管理運営を行う民間事業者は公募で選定。委託期間は5年で実績を重要視するとしている。
また市は指定管理者制度を導入するにあたり12月8日までパブリックコメントを実施し、市民からの意見も募集している。
パブリックコメントに関する問い合わせは【電話】044・754・4500へ。
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