中原区版 掲載号:2017年12月22日号 エリアトップへ

色彩美術魚拓家として来年NHK放送センター内でアート魚拓展を開催する 大野 龍太郎さん(本名 賢司) 宮前区在住 64歳

掲載号:2017年12月22日号

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「好き」を極める探究心

 ○…日本でも数少ないプロの魚拓家。その技法は、一般的に知られる墨で取る魚拓とは異なり、魚に被せた紙の凹凸を利用して鮮やかな色を載せていく色彩魚拓だ。色の濃淡を自在に操り、鱗一枚一枚丁寧に写し出す作品は、水中で泳ぐ魚の一瞬を切り取ったようなリアリティがある。「魚の躍動感や重み、迫力を伝えたい」と細部まで忠実に再現する。作業場の本棚は魚図鑑と釣り雑誌でびっしりだ。

 ○…生まれも育ちも宮前区。「釣り漫画の『釣りキチ三平』を地でいっていた」というほどの釣好き少年だった。「近所でのザリガニ釣りからはじまって、相模川まで自転車で行ったこともあった」と笑う。高校生の頃、デパートで偶然魚拓の展示会を見かけ、主催する魚拓会に即入会を決めた。「美術部に入っていて絵も魚も好きだったから」。ここから47年間続く魚拓道が始まった。大学も水産学科に進み、水質調査の専門機関に就職。30歳を迎える頃に、魚拓一本で食べていく決心を固めた。当時は収入も厳しかったが、今では大手釣り具メーカーから毎年魚拓カレンダーの作成依頼が来るほど。「テレビの企画で哀川翔さんに魚拓を指南したこともあるんだよ」と思い出の写真をめくる。

 ○…自宅には釣ってきた魚の飼育用の水槽が20以上ある。過去にはネコザメやヒラメ、イシダイが泳いでいたことも。釣竿も200本以上持ち、狙う魚種によって選ぶという。釣ってきた魚を食べるのも楽しみのひとつ。「最近はウナギ釣りが多い。我が家秘伝のタレが美味しくて」。魚一色の生活に見えるが、4年程前からバドミントンに通いリフレッシュも忘れない。

 ○…日本色彩美術魚拓会の会長を務め、魚拓教室や展示会開催に力を入れる。高齢化もあり、後継者不足が課題だ。「魚拓は日本独自の文化。せっかく生まれた芸術を絶やさないようにしたい」。魚の自然な姿を写し出す美しいアートで、魚拓の魅力を伝え続ける。

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