プラスチック部品の製造業社・(株)東京千曲化成(宮内/坂本猛社長)はこのほど、マスクの内側に装着することで息苦しさを軽減させる器具「インナースペーサー」を開発した。坂本社長は「マスクを着けたままでも不快感なく会話や運動をしてほしい」と話す。
5センチ四方で、重さ3・5グラムと小型で軽量。鼻にあててマスクを着けると、アーチ部分がマスクを持ち上げ、鼻口周りにだけ空間ができる仕組み。呼吸や会話が楽になり、汚れにくくもなる。不織布のプリーツマスクのほか、布やウレタンなどにも対応。肌に触れる部分はシリコン製で、洗って繰り返し使用できる。
新型コロナウイルスが流行し始めた頃、介護を受ける高齢者がマスクを外せず息苦しそうにしている姿を坂本社長が目にした。「マスクを外さなくても呼吸しやすくなる器具を作りたい」と2月に開発に乗り出し、7月に完成。1カ月で約5千個を販売した。
地域に寄付も
坂本社長は武蔵新城駅近くに在住。「お世話になっている地域の役に立つなら」と、発売前から市内を中心に近隣の介護施設への寄付を続けている。横浜市のデイサービス「しあわせのき」では感染拡大後、通所や交流をためらう利用者がいたが、マスクやインナースペーサーの導入が安心感に。以前のように、歌や会話を楽しむ姿が見られるようになったという。
現在は、介護度の高い人でも安心して使える設計に改良するため、介護士を対象にモニタリングを行っている。坂本社長は「高齢者は新型コロナに感染すると重症化しやすいと聞く。介護士の意見を取り入れ、より多くの方が使えるものを提供したい」と意欲を見せる。子ども用も開発し、区内の小学生サッカーチームへの寄付を予定している。
2個入りで税込868円。同社ウェブサイトから購入できる。市内の量販店での販売も予定。
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