川崎市は10月15日、市立井田病院内のレストランなどで2012〜17年度の光熱水費1千万円超を請求していなかったと公表した。状況が発覚した17年以降、市がレストラン事業者に支払いを求めてきた経過などが示されたが、市の不適切な対応も明るみになった。市は「疑義を生じさせた」とし、検証を進め再発防止策を講じ、報告するとしている。
未請求だった光熱水費は、レストランが約1500万円、売店が約166万円。17年に状況が発覚したことを受け、市は両事業者に支払いを求めたが、売店事業者は応じたものの、レストラン事業者は説明不足などを理由に拒否。その後、市は「水道量計が異常値を示していた」期間を考慮し約1145万円に請求額を減額。さらに、55回の分割払いを示すとともに、使用料(家賃)の55カ月分の免除などを提案した。同事業者は長期債務になる懸念を理由に36カ月分の支払いのみ受け入れるとし、10月15日時点で580万円余りが納付されているという。
この問題は9月28日、市議会決算審査特別委員会の健康福祉分科会で、岩隈千尋市議の質問により明るみになった。同市議は、市が請求漏れを公表しなかった点、市から事業者へ使用料の免除や分割納付を持ちかけた上に合意文書を交わしていない点、病院会計の不正な財務事務処理などについて指摘。市は「疑義を生じさせ、不適切な点があった」としつつも、使用料を免除し分割納付になった理由については「レストランの運営費は高額のため、業者の公募をかける上で負担軽減が必要と判断し減額した。未請求分とのバーターではない」と説明した。
同市議は「異常値を示したという真相も減額した根拠も分からない。公募方法も不十分。文書を改ざんし遡及処理も行われている。新たな問題も浮上してきており怠慢だ」と追及する。
市は今後、一連の問題について関係局と検証を進め再発防止策を策定。来年度の予算案が審査される21年2月から開催予定の定例会までに報告書をまとめ、議会等へ報告し公表するとしている。
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