神奈川県は2020年度の児童生徒に関する調査結果を今月発表。川崎市立小学校で長期欠席した児童1271人のうち「不登校」は807人(前年比107人増)にのぼり、過去30年の最多を5年連続で更新した。
文部科学省による国公私立小・中・高校の長期欠席やいじめの実態を把握する調査に基づき、県が取りまとめ、川崎市が市内の状況を公表した。
長期欠席は連続または断続して年間30日以上欠席した児童生徒とし、理由は病気や不登校などに分類。20年度から「新型コロナウイルスの感染回避」が理由の項目に追加され、川崎市立小学校では190人だった。
無気力・不安に要因
全国の公立小中学校で増加傾向にある不登校は、川崎市立小でも15年度の293人から5年で約2・8倍に増大。学年別では高学年になるほど増え、20年度は1年生が46人、6年生が最多の230人となっている。
今回の調査結果によると、市立小における不登校の主な要因は、本人の「無気力・不安」が前年比57人増の483人で最多。家庭内の「親子の関わり方」が101人、「生活リズムの乱れ・遊び・非行」が77人と続く。学校に関わる要因で最も多いのは「いじめを除く友人関係をめぐる問題」で35人だった。
20年度の市立小の児童数は7万4149人(前年比217人減)。不登校の要因について市教育委員会は「全員に同じ傾向があるわけではなく、それぞれ事情は異なる」と説明。「調査結果を分析し、個別にきめ細かく状況把握することで支援につなげたい」としている。
市民団体「不登校を考える親の会川崎の会」の竹内春雄代表は「年代に関係なく全般的に、さまざまな原因が複合的に重なって起きるもの。子どもたちもなまけているわけではない。問題を受け流せず、自分を責めて登校できなくなるケースもある」と指摘する。
市立中学校の20年度の不登校の生徒は、前年比19人減の1370人。3年連続で1300人台を推移している。
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