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中原区版 公開:2024年1月1日 エリアトップへ

木月伊勢町町内会 活動の支えは「非会員」 つながり広げ、活気生む

コミュニティ社会

公開:2024年1月1日

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催し会場となる木月伊勢町公園に立つ勝山会長
催し会場となる木月伊勢町公園に立つ勝山会長

 木月伊勢町町内会(勝山景之会長)では、年間に主催する行事の運営を非会員が支えている。あえて町内会への加入を強制しないことで支援の輪を広げ、活動を活性化させることが目的の一つだ。年末恒例のパトロールにも高校生が参加するなど、防犯面の強化にもつながっている。

 盆踊り、花火大会、スポーツ教室、清掃活動など、年間で多くの催しを企画している木月伊勢町町内会。高齢化や人手不足により運営面で苦労している町会や地域団体が多い中、同町内会が導入しているのが「青年会」と名付けたサポーター制度だ。制度とはいえ、煩わしい規約は設けず、つながりから生まれる協力体制に委ねている。

 メリットは双方にある。町内会にとっては、役員の高齢化が進む中で、現役世代や子育て世代からの協力を得られることで負担軽減になる。サポートする側にとっても、町内会の定期的な会議への出席や、行事日程に合わせ予定変更する必要もなく、自己都合で協力の有無を決めることができる。こうした柔軟な体制を敷くことで、実際に、夏祭りの飲食の模擬店に料理好きな女性が協力したり、こいのぼりの掲出や夜間パトロールに男子高校生が姿を見せたりと、得意分野をいかした支援も多いという。結果、町内会行事への参加者が増え、支援メンバーがまた新たな仲間を連れてくるといった好循環も生まれている。勝山会長は「昔と違い、今は共働きが多い時代。町内会への加入を強制せず、自由参加にしてみんなが楽しめればいいし、活気も出ている」と話す。

加入1/3も「顔見知り」

 アパートや社宅が多い土地柄もあって、町内会に加入しているのは約650世帯で、全体の3分の1程度にとどまる。しかし、「顔見知りが多い」という実感を持っている住民は少なくない。「単身世帯や社宅住まいの人も行事に参加してくれるし、道で会うと挨拶している光景も多い。お互いの顔を知ることは防犯面や災害時においても有効」と勝山会長。

 こうした「青年会」のサポーター制度は30年ほど前から取り入れられてきたが、最近徐々に地域に浸透。昨年開催された川崎市全町内会連合会・市民自治財団合同の研修会の場では、活動事例として紹介し、関係者からも注目を集めた。

新たな交流、先も見据え

 昨年は女性で組織する「カトレア会」が発足し、新たな活気も生まれている。木月伊勢町の在住・在勤者を対象に、町内会行事の支援を目指しつつ、日常的な交流も図っている。「もちろん、無理せず、自分の空いている時間に」。

 一方で、勝山会長が複雑な思いを抱いているのが、子どもたちの遊ぶ環境。「学習塾にほぼ毎日通っている子や、ゲーム機でずっと遊んでいる子を目にする。でも人との交流は大切だし、将来にも生きてくると思う。そんな魅力を伝えられる町内会であり続けたい」と胸中を明かす。

 若い世代が多い中原区の特徴をいかし、後世に受け継いでいく。

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