神奈川県看護賞を受賞した、「ウパウパハウス岡本助産院」の院長 岡本 登美子さん 上小田中在住 62歳
出産を支える命の母
○…「県庁から電話を受けた時はドキッとしたけど、受賞と聞いてホッとした」。県助産師会の部会長である立場から、医療事故の報告かと一瞬頭をよぎるほど、考えるのはいつも母子のことばかり。「助産師一筋の人生。それだけに、こんな素晴らしい賞を頂き、神奈川県に来て良かったなって」と喜びを口にする。
○…生まれは長崎県の五島列島。中学の頃、弟の出産を迎えた母が苦しむ姿を見て「死んでしまうのでは」と思った時”助けてくれた”のが助産師だった。「元気な赤ちゃんの誕生に導く助産師という仕事に強く憧れましたね」。その後、地元で看護師となり、離島の無医村地区の妊婦を支える為ボートやセスナで出向くこともあった。「陣痛などで苦しむ妊婦がいればどこでも駆けつけた」。神奈川に来る37歳までの使命感ある働きが高く評価され、五島市ふるさと大使にも任命されている。「地元に帰ると市長にも偉そうにアドバイスするんですよ」と苦笑い。
○…「大切な患者さんの子が待機児童で困っている姿を見ていられなかった」と、助産院の近くに保育園も立ち上げた。夫と、保育士の道を目指す20歳の長男がサポートにあたる。「優しい笑顔で接するから、子どもたちが集まってくるみたい」と母親の眼差しもチラリ。それでも「主婦ではなく助産師」と言い切る通り、人生で休暇を取ったのは産後1カ月だけ。「昔から助産師は不足していて多忙。でも仕事を辞めようと思ったことは一度もないし、それが結婚の条件だった」。まさに母子を守り続ける”命の母”だ。
○…市内10以上の中学校で性教育の出張授業も行う。最初は照れ気味な生徒も、産みの苦しみや母の愛情などを真剣に伝えると表情は一変。「母親への感謝を忘れちゃだめ。そして特に女性にはしっかりした考えを持ってほしい」。子育て中のママに向けたメッセージは「お子さんをたくさん褒めてあげて下さいね」。
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4月26日
4月19日