川崎市が取り組む生活保護受給世帯の中学生を対象にした学習支援が、今年度からひとり親家庭の小中学生も対象となった。経済的に苦しい家庭の子どもへの支援を拡充することで、子ども自身の将来への選択肢を増やすことを目指す。
これは、市が今年度から新しく取り組むひとり親家庭への支援施策のうちの一つ。昨年、市内の児童扶養受給資格者7215人(2018年時点)を対象に行った生活状況アンケートをもとに市のこれまでの支援施策を見直した。
市が生活保護受給世帯の中学生を対象に取り組んできた学習支援は、2012年に川崎区から始まった「学習支援・居場所づくり事業」。市の委託を受けたNPO法人などが学校の勉強をサポートする学習教室を開催。昨年度は市内12カ所で行われており、今年度から新たに1教室を開講する。希望する子どもたちの参加は無料。運営団体に所属する大学生や教員OBが講師となり、高校合格を目標に、学校の授業でわからなかった部分や問題集を使って勉強に取り組んでいる。2017年度の参加対象者数861人に対し、登録者数は252人で、そのうち中学3年生は99人。就労1人を除き、全員が全日制や定時制、通信制などの高校に進学した実績がある。
今回、この学習支援の対象をひとり親家庭の中学生にも広げた。市内13カ所のうち、7カ所では小学5年生から通えるようにし、受講人数や開催時間枠も拡大する。
中原区で同事業に取り組んできた認定NPO法人キーパーソン21の朝山あつこ代表理事は「教室に通う子どもたちはさまざまな家庭の事情を抱えている。自己肯定感の低い子が多く、頼りになる大人を求めている。大切なのは、本人が未来の自分に希望を持てること。勉強や高校合格はきっかけでしかない」と話す。
市は周知のため、児童扶養手当受給資格者に案内を送付。4月末まで申し込みを受け付けた後、6月ごろから教室を稼働する予定。
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