建長寺(市内山ノ内)で毎週開かれている「親と子の土曜朗読会」(建長寺、NPO法人日本語の美しさを伝える会主催)が9月15日に連続400回を迎えた。これを記念して同日、特別プログラム「日本の名作を楽しむ」が同寺法堂(はっとう)で開催され、宮沢賢治作「銀河鉄道の夜」と芥川龍之介作「杜子春」の朗読や、「般若心経」の唱和、坐禅などが行われた。
土曜朗読会は、子どもたちに日本語の美しさ、名作を朗読する楽しさを伝えようと、2005年1月22日に第1回が開催された。普段は同寺境内の玉雲庵で行われており、初回から400回まで途切れることなく毎週続けられてきた。過去には特別ゲストとして、漫画家のやなせたかしさんや作家の角野栄子さん、三木卓さん、井上ひさしさんらの講演や鼎談(ていだん)なども行われた。
会の進行は、「日本語の美しさを伝える会」理事長で、関東学院大学教授の伊藤玄二郎さんのゼミナールの学生が務め、坐禅や読経の指導も行っている。先輩からバトンを受け昨年12月から進行を担っている学生4人の代表、樋口悟さん(4年)は「普段人前に出る機会はあまり無いので、度胸がつく。子どもたちとのふれあいも楽しい」と語る。
伊藤さんは「400回を目指してきたわけではなく、1回1回の積み重ね。あっという間だった」と話した。
楽器や声明と朗読の共演
特別プログラムは、同寺の法堂で行われ、250人分の席がほぼ満席に。冒頭に学生の指導による「般若心経」の唱和と坐禅が行われた。
第I部では、シンガーソングライターの芳晴さんの二胡と、作・編曲家のシモシュさんのピアノ演奏を交えて、女優の夏川響子さんと芳晴さんが宮沢賢治作「銀河鉄道の夜」を朗読。
第II部では、初回から朗読に参加してきた女優の牧三千子さんが、兵庫県・實相寺の齊川文泰(ぶんたい)住職の声明に合わせ、芥川龍之介作「杜子春」を読み上げた。
牧さんは「記念の会を法堂でやれてうれしい。いろいろな方々に支えられてきた。やってきて良かった」と感想を述べた。
初めて参加したという横須賀市の鳥海その子さん(47)は「杜子春の朗読は、生の声が響き素晴らしかった」と話し、息子の碧生くん(8)は「おもしろかった。また来たい」と話していた。
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