鎌倉市議会は６月20日、松尾崇市長が提出した安良岡（やすらおか）靖史氏（58）と齋藤千歳氏（65）を教育委員会委員に選任する議案を全会一致で可決した。安良岡氏は８月の教育委員会で教育長に任命される見通しで、昨年10月から続いた教育行政のトップ不在という異例の事態にピリオドが打たれることになる。
安良岡氏は相模工業大学工学部を卒業後、教員となり、第一中学校をはじめ市立小中学校で教鞭を執ってきた。現在は市立稲村ヶ崎小学校で校長を務める。
齋藤氏は鎌倉市や葉山町の公立小学校で教員を務め、現在は私立聖ヨゼフ学園小学校（横浜市鶴見区）の非常勤指導主事。
齋藤氏は７月１日付、安良岡氏は８月１日付で教育委員の辞令が交付される予定。安良岡氏の辞令が出され次第、臨時の教育委員会が開かれ、委員の互選により安良岡氏が教育長に任命される見通しだ。校長と教育委員の兼任はできないため、稲村ヶ崎小学校には新しい校長が就任する。
混乱の末、地元から起用
昨年10月に熊代徳彦氏が任期満了で退任して以降、空席が続いていた教育長のポスト。松尾市長はその後、複数の人物を候補として市議会に打診したものの、いずれも同意を得られる見通しが立たず議案提出が出来なかった。
今年３月には杉並区の区立中学校で民間人校長を務めた男性を選任する議案を議会に提出したものの、マスコミ報道が先行したことなどもあり議会側が反発。市長が議案を撤回していた。
松尾市長はその後もこの元校長の選任を目指したものの、４月の市議選で自らの与党会派が過半数に達しなかったことなどもあり、従来通り地元教育界から教育長を起用した。
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