市内鎌倉山の「檑亭(らいてい)」の本館及び山門が、国の登録有形文化財(建造物)として登録される見通しとなった。文化庁文化審議会が7月19日、文部科学大臣に対して答申した。今後、官報告示を経て正式に登録される。
登録有形文化財は保存、活用などの措置が必要とされる文化財建造物を登録する制度で、原則として建設後50年以上が経過したものが対象。国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範になっているもの、再現が容易でないもの、などの基準に該当するものが登録される。市内ではこれまでに、鎌倉国宝館や旧華頂宮邸など12件が登録されている。
「檑亭」は市内鎌倉山のそば・日本料理店。昭和初期に同地が分譲別荘地として開発された際、事業家の菅原恒覧が「清香園」と称して営んだ別荘だった。
本館は関東大震災で倒壊した横浜市戸塚区の豪農の旧宅を1929年に移築したもの。翌年、市内手広の青蓮寺から材料を買い受けて玄関を増築した。農家の創建ははっきりしないが、江戸時代と考えられており、こうした古い部材を活かしながら室内にステンドグラスやシャンデリアが飾られるなど、和洋の意匠を混交させた独特の空間を作り上げている。1969年から現在のような飲食店として経営されており、2003年には市の景観重要建築物に指定された。
また山門は1770年に市内西御門にあった寿延山高松寺に建立されたものを、1931年に同地へ移築。禅宗様の意匠を取り入れた四脚門となっている。
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