国道134号線の改修工事が進んでいる。2009年10月に発生した台風の強い波浪による道路陥没事故を受けて、小動岬から行合橋までの約1・4キロで道路を支える擁壁を改修するとともに、狭い歩道を拡幅し、歩行者等の安全確保を図る。また、鎌倉高校駅前交差点の改良を行い渋滞の解消、交通事故の減少を目指す。工事全体の完了は2018年度以降となる。
国道134号擁壁改修工事は防災機能の強化、交通事故・交通渋滞対策、歩行者等の安全確保を目的に進められている。事業区間は小動岬から行合橋までの約1・4キロ。全体事業費は約60億円となっている。
渋滞解消めざす
鎌倉高校駅前交差点は、逗子方面から来て右折しようとする車両が滞留し、渋滞の大きな原因となっているほか、他の交差点と比べて事故も頻発している。2005年6月には、交差点の改良を求める要望が鎌倉市・鎌倉商工会議所から県に出された。これを受け県は、同交差点に右折レーン設置の検討を始め、翌年から市民向け事業説明会が複数回にわたって行われた。そこでは、砂浜やそこに住む動植物への影響を不安視する声が強かったという。
2009年10月、台風18号の強い波によって、国道134号線を支えていた擁壁が崩壊し、土砂が流出したため、路面の下に空洞が生じる道路陥没事故が発生した。その後の調査で周辺の擁壁についても、長年の風雨によりコンクリートの劣化が著しいことが判明。防災工事を実施する必要性が高まったことから県は、これまで交通事故対策と渋滞緩和を目的に検討を進めていた鎌倉高校駅前交差点改良を含めた、擁壁の改修整備事業を2012年度に決定した。
環境に配慮した工法
老朽化した擁壁の改修は2013年3月から始まり、行合橋側工区から鎌倉高校方面へ進んでいる。
この工事では、先端に掘削用の「刃」をつけた鋼管杭を回転させながら地中に貫入させる「ジャイロプレス工法」を採用。担当業者によると、この工法は仮設の桟橋が不要で、省スペースで施工できるうえに、静かで泥水排出が少なく済むため、周囲の環境への影響が少ないという。
鎌倉高校駅前交差点の工事は2016年度の完成を目指し、134号線の事業区間全体の工事完了は2018年度以降になる予定。
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