鎌倉市が掲げる深沢地域整備事業用地への市役所本庁舎の移転方針に対し、「住民投票で是非を問うべきだ」とする市民団体が11月6日、集まった8千人超の署名を松尾崇市長に提出し、住民投票条例の制定を請求した。市議会臨時会が11月20日に開会し、条例案の審議が行われる。
市民団体「市役所移転を問う住民投票の会」は、条例の制定を目指して、9月1日から1カ月間にわたって署名活動を実施。その結果、直接請求に必要な3005筆を上回る8270筆が集まった。これを受けて、条例案を審議するため11月20日に市議会臨時会が開会することが決まった。
市は反対姿勢
審議を前に条例案とともに市議会に提出された松尾市長名の意見書では「請求の意義の重さを真摯に受け止めている」としながら、現庁舎の課題として津波浸水想定の範囲に敷地の一部が含まれていること、整備から約50年が経過して設備の老朽化や業務の非効率化がみられること、大規模な地震が発生した際に業務の継続に不安があること、などがあげられている。
また本庁舎を深沢に整備することは市域全体での効率的な行政サービスの提供につながるとし、新たな防災拠点の必要性も強調。移転方針は市民、専門家から意見を募り、長い時間をかけて決定したもので「住民投票により、単に深沢地域への移転に賛成か反対を問うことは、これまで多くの方々と丁寧に議論して築き上げてきた結果と過程をないがしろにするものであり、到底容認できるものではない」とした。このほか法的不備なども指摘し、条例の制定に反対する姿勢を鮮明にした。
一方、市民団体の岩田薫さんは「審議の過程で陳述できる場面があるので、指摘された部分について一つ一つ反論していきたい」と話した。
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