国際的奉仕団体「鎌倉大船ロータリークラブ」(田中哲会長)は、前回の東京オリンピックが開催された1964年に産声を上げ、今年で55周年を迎える。青少年を対象とした薬物乱用防止プログラム、東日本大震災の被災地支援など様々な活動を実践してきた同クラブは今、「玉縄桜による地域活性化」「防災行政無線のデジタル化対応」「見えない貧困対策」という3つの社会奉仕プロジェクトを進めている。活動の趣旨について、田中会長に聞いた。
プロジェクト【1】玉縄桜でまちを一つに
毎年、鎌倉にひと足早い春の訪れを告げる「玉縄桜」。
県立フラワーセンター大船植物園で育成され、1990年に登録された比較的新しい品種で、「早咲き・長咲き」が特徴だ。
10年ほど前には地域のボランティアが発足して植樹活動が行われ、現在は大船エリアを中心に数百本が植えられている。
しかし植樹活動を担ってきたボランティアグループが一昨年、活動を中止し「大船生まれ・大船育ち」の玉縄桜は岐路に立っている。
そこで鎌倉大船ロータリークラブでは、玉縄桜を生かした地域活性化プロジェクトを立ち上げた。その狙いについて田中会長は「我々は大船を名称に持つクラブで、実際に大船エリアを拠点に事業を営む会員も多くいながら、これまで大船という地域に絞った奉仕活動を行ってこなかった。大船地域はJRの線路によって東西のまちの空気も違う。玉縄桜を広げることによって、まちを一つにして自分がすむ場所への誇りにつながる活動にしたい」と話す。
昨年は玉縄桜についての調査を進めたほか、植樹や地域への苗の配布方法など具体的な事業の検討を行った。
また学校や寺院など、各種団体にも協力を呼びかけてきた。今年はいよいよ、本格的な植樹活動が始まる。
植樹活動が本格化各種団体とも連携
同クラブは2月15日(金)、大船観音寺で行われる釈尊涅槃会に合わせて、同寺の境内で玉縄桜の植樹を実施する。
また近年相次いでいる災害の被災地支援の一環として続けてきた「朗読の会」が3月7日(木)、成福寺(小袋谷)で開催される。開催に先立って、同寺境内に玉縄桜を植樹。朗読会のなかでは同クラブ会員の石井昭二郎さんが書き下ろした「戸部宿の早咲き桜」が、アナウンサーの野中民美代さんによって読み上げられる。
同作は戦国時代末期の玉縄・戸部宿を舞台に、1本の桜を通じた大工の青年と幼馴染の少女との不思議な交流を描いたもの。石井さんは「地域のシンボルツリーとして玉縄桜が親しまれ、住む人が大船に誇りをもてるようになれば」と話す。
また大船観音寺が中心となって行っている、ピンクリボン運動との連動企画なども検討している。
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