神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
鎌倉版 公開:2019年12月20日 エリアトップへ

「自宅での最期」考える機会に 岩瀬の「さっちゃんち」を開放

社会

公開:2019年12月20日

  • X
  • LINE
  • hatena
「さっちゃんち」(上)と生前の山本幸子さん
「さっちゃんち」(上)と生前の山本幸子さん

 人生の終わりをどこでどう迎えるのか――。今年5月に他界したある女性を例に考えようという催しが、あす12月21日(土)に開催される。企画したのは、女性の孫・櫻井純子さん=人物風土記で紹介。会場は女性の自宅で、3年前から地域に開放されてきた「さっちゃんち」(岩瀬1の25の8)だ。櫻井さんは「最期を迎えるのは病院か施設でと多くの人が思っていますが、別の選択肢もあるのだと知ってもらえたら」と話す。

 「さっちゃん」こと山本幸子さんは、26年前に夫を亡くし、以来一人暮らしを続けてきた。4年前、胃潰瘍やペースメーカーの植え込み、心不全で3度の入院をしたことをきっかけに、有料老人ホームへ入所。だが、医療的ケアは必要なものの、自身で生活ができる状態だった山本さんには、ホームの生活や方針が合わず「自宅で暮らしたい」と強く願うようになったという。

 それを聞き、奔走したのが、櫻井さんと父・洋二郎さんだった。「ホームでの祖母はまだまだ元気で、『部屋でじっとしていて』という毎日が辛かったようです」と櫻井さん。幼い頃から隣に住み、ずっと一緒に過ごしてきた大切な祖母を「助け出す」ため、父と共に自宅へ戻る方法をすぐに探し始めたという。

 主に利用したのは、施設での宿泊や通所、自宅での訪問介護・看護などを一貫して行う看護小規模多機能型居宅介護、通称「看多機」。山本さんは家事支援サービス等も活用しながら、97歳まで自分で料理をするなど一人暮らしを満喫した。

 櫻井さんは「看護・介護が必要でも入院や施設入所以外の方法もある。自宅での最期を望む人や家族に、さまざまな支援や方法があると知ってもらいたい」と話す。

「地域で活用を」

 並行して櫻井さんが始めたのが、山本さんの社交の場を兼ねた「地域の居場所」づくりだ。3年前から月に2度、祖母宅を開放。英会話サークルや、城廻の農家が育てた朝どれ野菜の販売を現在も続けている。英会話には常連メンバーが、野菜販売には1年近く協力してくれているアイデアマンの中学生店長もいる。

 「祖母が亡くなった後も地域の居場所として残したらという声もいただいた。周知もチラシを近隣に配る程度しかできていないので、協力者がもっと増えたら嬉しい。活用したい人がいれば、時間貸しなどもやっていきたい」と櫻井さん。

 12月21日は午前9時30分からの野菜販売の後、10時から櫻井さんと看多機「ふぁいと今泉の里」の藤田匡弘さんが山本さんが選んだ「最期」や行った支援についての対談をする。予約不要。問い合わせは櫻井さん【メール】jsakurai@keio.jpへ。

鎌倉版のトップニュース最新6

5年ぶり市民カーニバル

5年ぶり市民カーニバル

26日 仮装パレード参加募集

5月3日

5日は小学生運賃「無料」

湘南モノレール

5日は小学生運賃「無料」

乗車5億人を記念し

5月3日

建長寺に「さわる模型」

建長寺に「さわる模型」

大下さん、10年越しで夢叶う

4月26日

交番AEDで女児救う

交番AEDで女児救う

鎌倉署、高原さんに感謝状

4月26日

松岡選手、プロ転向目指す

松岡選手、プロ転向目指す

テニス 世界ジュニアで8勝

4月19日

「メイ アイ ヘルプ ユー?」

「メイ アイ ヘルプ ユー?」

鎌倉駅で観光案内、滞留抑制

4月19日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月22日0:00更新

  • 8月20日0:00更新

  • 7月16日0:00更新

鎌倉版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月5日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook