鎌倉市内では5月16日から、高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。市は6月末までに2万人分の接種完了を見込む。一方、17日に始まった2回目の予約で、受付開始時間がわかりづらかったことに批判が殺到。市が「お詫び」を発表する事態となった。
接種初日となった5月16日は、8会場のうち、鎌倉武道館、三菱電機大船体育館、御成小学校、鶴岡八幡宮研修道場の4カ所で、1500回の接種が行われた。
大きな混乱はなかったが、午前9時からの接種にもかかわらず7時頃から人が集まりはじめ、「密集」が生まれる時間帯もあったという。
市市民健康課では「予約した時間の少し前に来てもらえれば、確実に接種を受けることができる。ぜひ時間通りに来場を」と呼びかける。
また市は、急なキャンセルなどでワクチンが余った際の対応を決定。【1】医療従事者(保健師等も含む)【2】接種会場の運営に従事する人(アルバイト、派遣社員なども含む)のうち65歳以上の人【3】高齢者施設の職員、の順で接種するという。
「0時予約開始」に批判殺到
5月17日から65歳以上の人を対象に始まった予約では、受付開始時間を巡って混乱があった。
市が導入したシステムが「24時間稼働」だったことから、日付が変わった午前0時からウェブサイトとLINEによる予約がスタート。8000回分のうち、0〜8時分として用意されていた2000回分は10分ほどで埋まったという。
残り6000回分は午前9時から、電話も含めて受け付けたが、ウェブサイトとLINEの予約枠(約5500回分)が10分ほどで終了し、電話(約500回分)も夕方までつながりづらい状況が続いた。
特に「0時から受付」を知らなかった市民からは「不公平だ」などとする批判が殺到した。
原因は開始時間が十分に周知されていなかったことだ。市が5月1日に発行した「広報かまくら」特別号やホームページでは、5月10日の予約(80歳以上の人が対象)は「午前9時から」と明記されていたものの、17日の分ははっきり記載されていなかった。特別号の締切までにシステムの詳細が判明しなかったためで、予約サイトに入ると現れる「重要なお知らせ」で、0時から一定数を受け付けることを告知しただけとなった。
市内在住の女性(68)はパソコンやスマートフォンを用意し、9時になると同時に予約に挑戦したが全くつながらず、ほどなく「受付を終了した」という表記が出るようになった。のちに0時から受け付けていたことを知り「高齢者が対象なのに真夜中から始まるのは理解できない。早くワクチンを打って、都内に住む孫とも安心して会いたかったのでがっかり」と話した。
市は18日、「周知不足で混乱を招く結果となってしまいました」とするお詫びのメッセージをホームページで発表。6月17日(木)に始まる予約は電話、ウェブサイト、LINE全て午前9時からとすることを決定した。「次回はまだ予約が取れていない方にも十分な枠が用意できる予定。ワクチンは人数分確保しており、必ず接種できるのであせらずに予約してほしい」とする。
接種については、これまでに予約が完了した人(約2万回)の第1回を6月5日までに、2回目を6月26日までに終える予定とする。
6月17日から予約が始まる分についても、6月27日から始め、7月いっぱいでの完了を目指すとしている。
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