赤そば祭りを開いている団体の事務局長 杉浦 康晴さん 南足柄市弘西寺在住 70歳
赤そばで地域貢献を
○…「金太郎をイメージする赤花のそばを咲かせて地域振興につなげたい」と、市内を中心に活動しているNPO法人金太郎そばの会の事務局長。「連日多くの人に見にきていただき嬉しいですね。手応えを感じています」とにこやかな表情で話す。そばの赤い花という珍しさもあり、今月に祭りが始まると、新聞・テレビ等でも紹介されている。約2400坪の遊休農地に栽培。「地域の地主さんに協力をいただいています。大変ありがたい」と感謝の気持ちを伝える。
○…生まれは東京都目黒区。学生時代を都内で過ごした後、静岡県へ。父親が営む製造会社に入社し、52歳の頃に地域の特産品を手がける新分野を始める。ラーメン店経営の経験も持つ。現役を退き、娘が嫁いでいたことなどが縁になり南足柄市に引っ越してきたのが4年前。「初めての土地だったので、地域のことを知りたいと思って『金太郎ファミリーの会』に入会したんです」。1年ぐらいたって、「金太郎ゆかりのこの地で食による町おこしができないか」という話が会の中から出たという。特産品に携ってきた経験などから、徐々に実行部隊の中心になっていく。記憶にあった赤そばの花のことを会長に伝え、一緒に長野県を視察。試験栽培を経て、昨年、初の赤そば祭りを開いた。同時にNPO法人も立ち上げた。「無から有を生み出してきた人生。チャレンジするのが僕の生き方です。妻にはすぐにのめりこむ性格と言われています」と苦笑いする。
○…足柄平野全体に活動を広げようと、他のそば団体との連携にも力を入れる。深大寺門前のそば店主らが参加する団体の指導を仰ぎ、同じ金太郎伝承地の長野県大町市ともそば粉の提供で協力関係にこぎ着けた。来年は栽培面積が大幅に拡大する予定だ。「将来地域の特産品になっていくのが夢ですが、花を見てもらうのが第一。皆で楽しみながらやっていきます」