雨坪ささら踊り同好会の代表を務める 下田 実さん 南足柄市雨坪在住 65歳
地域の伝統を次世代へ
○…かつて地域で踊られていた「ささら踊り」を復活させ後世に継承していこうと今年の6月、60軒以上の自治会員に呼びかけ「雨坪ささら踊り同好会」を立ち上げた。11月10日には自治会の秋まつりでのお披露目を無事に終え、「進んで活動に参加してくれたメンバー、素晴らしい指導力で引っ張ってくれたリーダーのおかげでここまでこられた。私はお手伝いをしただけです」と謙遜しながらも安堵の表情を見せる。
○…会の発足のきっかけは市制40周年の記念式典だった。ステージ上で子どもたちが踊るささら踊りを観ていると、歌詞の中に「雨坪踊り子は 足柄小町 はでなけだしに玉だすき ヤレー玉だすき」と自身が生まれ育った地域の名前が入っていたことに感動し、涙した。帰り道には現在、スタッフとして会を支えるメンバーと「これは伝統芸能を復興させ、後世に残していかなければ」と語り合い、会の発足を志した。当時の踊りを知る経験者や市の保存会などへ相談し、同好会発足に向け準備に奔走した。
○…小田原の蒲鉾メーカーでの勤務と稼業のみかん栽培を行う兼業農家。鎌倉時代まで遡れるという歴史ある実家には日蓮が泊まったという記述も残されているという。「地元にある古いものも勉強したい」と、最近では観光ボランティアガイドの講習も修了し、登録を済ませたところだ。「歴史を感じられるものが好き」という気持ちが伝統芸能を継承しようという強い使命感に繋がっている。
○…ささら踊りを通して地域コミュニティーの充実も視野に入れる。「30年ほど前までは地域の婦人会を中心にささら踊りを伝承していた。現在は婦人会はなくなってしまったが、同好会ができたことで若い世代から年配の方まで、幅広い年代のメンバーが踊りを通じて知り合うことができたように、地域で女性が参加できるコミュニティーにしていきたい」。温和な表情の中に熱い決意を覗かせた。
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