互助グループ「助け合おう会」の代表を務める 宮崎 文子さん 南足柄市塚原在住 54歳
思いやる気持ちを大切に
○…南足柄市グリーンヒル地区の住民同士の助け合い活動「助け合おう会」の代表。発足当初は自治会の活動だった取り組みを今年度から「地域福祉を考える団体」として再スタート。その中心を担う。「交通の便の悪さや高齢化など、地域の問題を住民の手で解決したい。困っている人がいたら助けてあげるという当たり前のことを形にしているだけ」と思いを語る。
○…民生委員としてお年寄りと接している中で「住民同士が気軽に助け合い、コミュニケーションを図れる仕組みを」と、2012年に主婦仲間ら5人で自治会内に「助け合おう会」を立ち上げた。登録する住民同士で駅への送り迎えや子守り、高齢世帯の電球交換などを手伝い、助けてもらった人が1枚100円のチケットを利用者の「気持ち」として渡す仕組みをつくった。スタートから2年半、地域の中で「ありがとう」の気持ちが循環しはじめている。
○…愛知県名古屋市で生まれ、保育士として働いていた頃に結婚。公務員の夫と川崎市、大井町と移り住んだ。高齢の父親との同居を機に「のんびり暮らせる広い家を」と、グリーンヒルに終の棲家を構えた。3人の子どもも成人し、孫にも恵まれた。初孫と同年代の子ども達が待機児童として保育園に入れないという話を聞くと、保育士の経験を活かして自宅で託児所を開設したことも。時間ができると夫と2人、キャンピングカーで温泉めぐりなどに出かけるのが楽しみだという。
○…住み慣れた地域に住んでいたくても、病院に通えないなどの理由から介護施設に入り、地域を離れていくお年寄りを減らしたいと考える。「自分たちが高齢者になった時に、みんなが暮らしやすい地域になるよう、お互いを思いやる気持ちを広めていきたい」。若者からお年寄りまで、多くの住民に呼びかけることで地域に根付いた「助け合いの文化」を繋いでいく。