松田町商工振興会の会長に就任した 秋田谷 光彦さん 松田町神山在住 67歳
「あの頃の活気をもう一度」
○…松田町商工振興会の会長に5月8日付で就いた。新松田駅前で40年以上、焼肉店を構え、町の変遷を見守り続けている。「青森出身の自分にとっては、富士山を望めるというだけでも素晴らしい。それだけに最近の衰退ぶりはさみしい」と話し、「自分一人の力では何もできない。商工振興会の会員の皆さんと一緒に商工業者の立場から何ができるのかを考えていきたい」と思案を巡らす。
○…「当時の賑わいはすごかった」と40年前に思いを馳せる。雇われ店長だったが独立を決意。経営者として商工振興会に加盟した。「よそ者の自分が街に溶け込むきっかけになった」という商工青年会の活動では、多くの仲間にも恵まれ、青年会20周年の1985年には会長も任された。「衰退していく町をこのまま見てはいられない」と、飲食業の仲間の後押しも受け、町長選に挑戦したこともある。それから6年が経った。
○…青森県つがる市(旧車力(しゃりき)村)生まれ。17歳の時に2人で暮らしていた母親を亡くし、東京と横浜で働く2人の兄を頼って上京。紹介された小田原の工房で木工職人として働き始めた。やがて焼肉店に転職し、結婚を機に松田町神山に移り住んだ。11年前に近所のお年寄りが手に余していた約1000坪の畑を借り受け、野菜づくりを始めた。できた野菜は店で使うこともあるが「収穫よりも育てることのほうが楽しい」と、収穫した野菜のほとんどがご近所への「おすそ分け」になるという。
○…商店の減少から買い物に不便さを感じるお年寄りが身近にもいる。「時代に合わせて、まちなかの商店を集約するなど『この町で商売をする』ということを改めて考えていく時期にきている」と、地域再生の糸口を模索する。「今回の役目は自分にとって最後のご奉公。行こうと思っていた奥さんとの旅行、大好きなゴルフ三昧の生活もしばらくはお預けだね」。妻と2人の娘の4人家族。
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