下原花壇整備有志会の代表を務める 永田 米昭さん 南足柄市関本在住 73歳
恩返しの気持ち込めて
○…南足柄市関本の下原トンネル東側にある花壇の手入れをする「下原花壇整備有志会」の代表として、発足10周年の節目を迎えた。「通りかかる人から声を掛けられることもやりがいに繋がっています。始めの頃は花壇とは言えないような状態で『この先どうなるのか』と不安もありました。手助けしてくれる仲間がいてくれたのでここまでやってこれた」。10年間一緒に活動してきた仲間に感謝している。
○…手入れがされず荒廃した県有地を「花壇として復活させてほしい」と、2004年に当時の市長から整備を依頼された。翌年度の自治会長に決まっていたこともあり、自治会役員など22人が参加する有志団体の代表を引き受けた。「元々庭木の手入れが趣味だった」と、ボランティアで知人宅の庭の手入れを請け負う腕を活かすことになった。作業は毎月1回の草取りと年2回の花苗の植え付け。周囲の花木も一緒に剪定する。
○…南足柄市で生まれ育ち、吉田島農林高校を土木科の1期生として卒業後、南足柄市役所に就職。水道・土木関係の部署に勤務し、59歳で退職した。退職から14年、2人の子どもも独立し、奥さんと2人で暮らしている。アウトドアが好き。山菜採り、自然薯掘り、渓流釣りなどが趣味。20歳からはじめた狩猟では、南足柄市猟友会の会長も務めた。「自然の中に入っていくことが好きで、それは子どもの頃から変わらない」
○…地道な活動が評価され、2012年には県西土木事務所から表彰を受けた。現在ではパンジー、サルビア、マリーゴールドなど年間を通して約1700株を植栽している。毎月1回の活動は「近所や仲間とのコミュニケーションの場」と捉えている。「後に続いてくれる若い人たちのためにも、仲間たちと協力してきれいな花壇を維持していきたい。自分にとっては長年住む地域への恩返しの気持ちが一番大きい」