足柄版 掲載号:2015年8月29日号 エリアトップへ

パリを拠点にハモニカ奏者として活躍する 清野 美土(きよの よしと)さん 松田町寄出身 33歳

掲載号:2015年8月29日号

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調和と自我の出し入れ

 ○…気鋭の個性派アーティストが松田町寄の実家に戻ると聞き里山を訪れた。知る人ぞ知るあのサーカステントがある場所だ。自分の性格について、しばらく考え込むと「わりと普通だと思いますね」と本人談。およそ1時間の取材を終えての感想は「確かに、至って普通」だった。「意見の違う人たちが何か同じことに向かっている状態が一番面白い」「自分の保身やアピールのためではなく、共に面白くなるためのアイデアは嫌われない」。白人の「ケルト」と黒人の「ブルース」をハモニカで融合させ、ケルト文化の人々を驚かせた。そんな異色の経歴を持ちながら、風貌も至って「普通」だ。

 ○…東京・目黒生まれ。パントマイマーの父は横浜野毛の大道芸人。小学3年生で松田町寄に移住し、中学まで過ごした。高校は実家を離れた寮生活。大学も祖父母の家から通った。「4年までに全部の必須を終わらせ、4年になったら昼まで寝て、起きたら図書館で自分の好きな民族音楽だけを聴いた」。そのなかでケルト音楽に憧れた。大学卒業後に文化庁の海外研修制度で渡仏。モンマルトルの丘で有名なパリ18区のアパートが活動の拠点だ。中2で出会った相棒のハモニカと世界を巡り、アーティストとセッションし、2009年にバンド「ハモニカクリームズ」を結成し、スペインで10万人規模のケルト音楽祭に参加。「ブーイングも覚悟した」がアジア人初の優勝に浴した。

 ○…「アイリッシュ音楽は調和」「ブルースはコール&レスポンスで究極のエゴ」。調和のなかで必要に応じて自我を差し出すのが独自の音楽スタイル。「音を出すと距離感が一気に縮まる。それまで能動的だった受け手がそこから能動的になったりもする」。音楽にはそんな力があるという。23日には恩師が開いたライブに友情出演し地元の舞台にも立った。世界中どこにいても、戻る場所はいつも変わらずここにある。
 

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