障がい者講座などで講師役をつとめる 望月 智子さん 南足柄市和田河原 52歳
夫の支えに感謝
○…南足柄市内で社会福祉協議会などが開く、障がい福祉の体験教室でたびたび講師役を務めている。今年の夏には、自らの体験や境遇をもとに「障がい者が地域で暮らすためには、助け合いが必要」と、子どもたちに語りかける機会を得た。講義の場や障がい者による料理教室の講師役など年に4、5回は人前に立つ。子どもたちとの交流を通じて感じることは「やさしい気持ちを持つ子が多いこと。それが嬉しい」と笑う。
○…高校1年、中学2年、小学5年と3人の子育てに追われていた43歳の初夏に突如、脳出血を患った。自宅で倒れ救急車で搬送され一命は取り留めたものの、一時は「寝たきりの生活も覚悟した」。左半身に残った麻痺へのリハビリは今も続いている。倒れた翌年に身体障害者福祉協会に入会し、人前で初めて障がい者としての暮らしを話す機会を得た。「自信がついた。私にもできることがあると思った」という。
○…小田原市出身。両親と兄、姉、父方の祖母、叔父、叔母の大家族で幼少期を過ごした。中学・高校とバスケットボールを続け、短大を卒業後、20歳で小田原商工会議所に就職。その翌年に母をガンで亡くした。病気の発覚からわずか2カ月での急変に「もっと早く分かっていれば…」と目に涙を浮かべた。25歳で結婚し、母と同じように大家族へ嫁いだ。「大家族を1人で支えていて、すごいお母さんだった。私もそうなりたい」と母の背中を追った。
○…結婚した当初、寝床から天井を見上げ「これから毎日この天井を見て過ごすのか」と思った。入院中は病院の天井。「このままずっと起き上がれなかったら…」と不安に駆られた。その時、必ず支えてくれたのが夫だったという。子ども3人は成人し、賑やかだった家も静かになった。「子育てに忙しい中で病気をしたことで、時間にゆとりができた。これからも、ずっと支えてくれた夫に感謝しながら暮らしていきたい」
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