山北駅前の活性化に取り組む 川本 渉(わたる)さん 山北町岸在住 67歳
第二の人生を町に捧げる
○…県内でも急速に人口が減少する山北町。かつて鉄道の町として栄えたJR御殿場線の山北駅前に昨年夏、カフェをオープンさせた。店の名前は「NICO」。「いつもニコニコ笑顔でいられるように」との思いを込めた。人生の大半をサラリーマンとして過ごし63歳まで働いた。のんびりと畑を耕し、気の向くままに旅にも出られたが、そうはならなかった。現役時代に経験した定住対策への参画が高じて、第二の人生を町に捧げることを選んだ。
○…務めていた会社の仕事で、町内の製造業でつくる異業種グループ「山北工業クラブ」の事務局を務めた。時同じくして、町が初開催する街コンにクラブとして協賛したのが始まりだった。やがて実行委員としても企画に参加するようになり、気がつくと実行委員会の中心に担ぎあげられていた。「今思えば、そのあたりから始まったのかもしれないね」。ふと、気がついたように首を傾げた。
○…1948年、山北町向原の兼業農家に生まれ、川村小から山北中、相洋高校へと進んだ。子どもの頃から野球が好きだったが、高校では「興味があった」という書道部に入った。根っからのG党で「国松と篠塚が好きだった。今年は新人の桜井が楽しみ。坂本と阿部にも頑張ってもらいたいね」と今でも筋金入り。取材から30分、ここでようやく表情がほぐれてきた。店では黙々と仕事に打ち込む姿が印象敵だ。
○…町民有志が出資する「株式会社山北まちづくりカンパニー」の社長でもある。退職金を切り崩し出資者に加わるといつしか社長になっていた。昨年夏に店舗を建て、自ら家賃を払いカフェと居酒屋を開き、駅前の夜の帳に明かりを灯した。社長とはいえ妻と一緒に配膳し、皿洗いもする。夜は娘夫婦に店を任せるが休みはほとんどない。3月12日には店の隣にコンビニを開業させる。「買い物弱者への支援にも取り組みたい」。目標はまだまだある。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>