酒販店会「ひだり会」のSL型ボトル酒「俺たちのD52」の製造、販売を支えた 露木 早苗さん 山北町山北在住 38歳
「お店は私が守るから」
○…山北町の蒸気機関車D52の復活を祝うSL型ボトル酒「俺たちのD52」を考案した酒販店の男衆を内助の功で支えた。発売日の10月1日に向け予約が殺到し、残りわずかとなった「俺たち」を14日と15日に販売する。「陶器のデゴニがかわいくて、注ぎ足して近くに置きながら晩酌しています」。無類の酒豪も「学び呑み」が信条。近頃は山北の銘酒「丹沢山」を勉強中だとか。
○…山北の旧街道沿いで121年続く露木勝兵ヱ商店を家族で経営する。「お客さんとのちょこっとした会話が楽しい」。修業中だった若旦那と福島で出会い2001年に結婚。山北には5年前に家族で来た。「いいお嫁さん」と言われたくて頑張ったが、夫の「自分のままでいいんじゃない?」という一言で力が抜けた。「私が言うのも変だけどお酒とお米を売るだけの人じゃないと思うんです。お店は私が守るから好きなことやって、って意を決して伝えた」と照れながら話した。
○…1978(昭和53)年、福島県南相馬の生まれ。両親は兼業農家の共働きでおばあちゃん子だった。その実家は2011年の津波で流された。定年退職したばかりで今後の人生を考えていた父は仮設住宅から再起を図ったが、自宅の完成を待たず61歳で急逝。振り返るそばからみるみると大粒の涙が溢れだした。「お父さんとは顔も呑みっぷりもそっくりだと言われる」そう絞り出すのが精いっぱいだったが、ほどなく屈託のない笑顔が戻った。
○…中学3年の娘と小学3年の息子がいる。子育てでは「甘い」という夫の対極で子どもたちには厳しく接する。しかし近頃「娘に『いつもヘラヘラしてるね』っていわれてしまった」と首をかしげる。ふるさとの味「相馬きゅうり漬け」を持って嫁ぎ店先に並べたところ、これが「うちのロングセラーヒット商品」に。「これからも金魚のフンみたいにくっついていきます」と良妻賢母を宣言する。
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