大井町文化財保護委員会委員長を務める 鳥居 和郎さん 小田原市上曽我在住 68歳
未来つながる活動を
○…「地元の歴史や文化を知ることは、地域への愛着や誇りにつながる」。2016年から大井町文化財保護委員を務める。18年に副委員長となり、今年10月に委員長に就任した。「町の文化財の保護・活用の支えとなれるよう、しっかりと職務を果たしたい」と意気込む。
○…小田原市上曽我で生まれ育った。父親が根っからの読書家で、幼少期は伝記や日本の歴史に関する本を買ってもらいよく読んでいたといい「それが後の人生に影響したのかも」と振り返る。大学で史学科を専攻し、高校時代から憧れていた博物館学芸員を目指すも、当時は採用枠がなかった。卒業後は教師の道に進んだが、心の中では当初の夢を断ち切れず、募集があった29歳の時に初めて採用試験に挑戦。念願の学芸員に採用された。
○…博物館では歴史的資料の収集をはじめ、展示の企画・実施に明け暮れた。とりわけ思い出深いのは、資料収集の過程で築いた人間関係だ。資料の中には長年大切にされてきたものも多く、「何度もやり取りを重ねながら相手との関係を深めた。最終的に資料を譲ってもらえたときのうれしさはこの上ない」と笑顔を浮かべる。
○…高校時代に始めた趣味の登山は、今でも楽しみの一つだ。「山に行けば歩くことだけに集中する。いい息抜きになる」と。文化財の保護・保存、活用について必要な調査研究を行うのが委員会の役割。「過去の資料が今も残っているのは、先人が守ってくれたから」と敬意を表し、その襷を受け継ぐのが自身の役割だと理解している。「100年後200年後に、過去の人がしっかりやっていたんだねと認めてもらえるような活動を」。未来に対する責任感が背中を押す。
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