三保小閉校式の実行委員長を務める 湯川 勘一さん 山北町在住 70歳
「三保小」今までありがとう
○…2020年度をもって146年の歴史に幕をおろす「山北町立三保小学校」。3月21日には卒業生や関係者が集まり、閉校式が開かれる。かつては教室が足りなくなることもあったというが、近年は児童数も大きく減少。「母校がなくなるのは残念だが、子どもたちのことを思えば仕方ない」と話す表情には寂しさがにじむ。
○…中川地区で農家の長男として生まれ育った。幼少期は自然に囲まれた「家の近くで魚や山菜がたくさん取れた。それを近所のお店が買い取ってくれてね」と懐かしむ。学校を卒業して地元の中川荘に就職。「平成の初めごろには、今ではとても考えられないほどの人が訪れてくれた」のはいい思い出だ。その後、同館の副支配人、箱根にある温泉保養施設で支配人を務めた。
○…60歳を過ぎてからは自治会長や地区振興会長としても活動する。中でも特に力を入れたのが、毎年9月に実施されている防災訓練だ。ここ数年で過疎化が進み、1人暮らしの家も少なくない状況にある中川地区。「1軒1軒訪問するなど入念に行っている。住民の無事につながることが一番」と地元への思いもひとしおだ。
○…縁あって10年ほど前から、日帰り入浴施設「ぶなの湯」で働き始めた。現在は館長として多くの利用客を迎え、大好きな地元で働くことができる喜びをかみしめている。三保小閉校にあたり着々と準備を進めてきたが、心の中ではカウントダウンが始まっている。「最後の締めにふさわしい会になるように」と顔を引き締める。山北町の子どもがたくさん学び、成長して、また地元に戻ってきてくれればと未来に思いをはせる。趣味はボウリングで「何度もパーフェクトを出している」とほほ笑んだ。
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