最乗寺で写真展を開催している「あしがら写友会」幹事の 國見 清さん 南足柄市在住 76歳
「最高の1枚を撮りたい」
○…燃えるような紅葉、静寂に包まれる雪景色―。フレームに収められているのは四季折々の最乗寺。写真愛好家仲間3人と企画した最乗寺をテーマにした写真展を10月17日まで開催している。「これまであまり例がなく、不安だったが実現できて良かった」と寺院関係者の理解と協力してくれた人たちへの感謝がこぼれる。
○…出身は小田原市。高校を中退後、1964年に南足柄市にある富士フイルムに入社した。当時、日本中が東京オリンピックに注目していたが、新人だったこともあり仕事第一。「今年のオリンピックはきちんとテレビで見ることができた」と笑う。26歳の時に小田原工場に勤務していた妻と結婚。「社員交流で知り合ったんだよ。恥ずかしいな」と顔を赤くする。定年するまでに印画紙の検査、ポジフイルムの製作部署、管理部門などを担当した。
○…定年後、友人の依頼で障害者施設の指導員として勤務。「当事者の気持ち、接し方などを学んだ」と話す。同時に松田署の少年補導員も勤め、1市5町の小・中・高で講義をしたことも。
○…写真は10年ほど前、友人から撮影ツアーに誘われたのがきっかけ。「撮りたいと思った景色を表現できるところに魅力を感じた」。特に、霧がかかった風景など「要素が重なった風景の撮影」に力を入れる。気象条件が重なったわずかなタイミングでしか撮影できない場面は、一層意欲をかきたてると言い「何度も通って、撮れるかどうか。苦労も楽しんだよ」と。目標は、これ以上の一枚はないと思える写真を撮ること。「まだ実現していないからこそ楽しみは続く」。仲間内では、時には冗談を交え場の雰囲気を盛り上げるムードメーカーでもある。