日本語教室あしがらNIHONGOの代表を務める 浦野 美和子さん 南足柄市在住 66歳
「多様性」認め合う場に
○…地域で暮らす外国人向けに、生活支援を柱とした日本語をボランティアで教えている。今年5月の開成教室の開校を機にオンラインだった南足柄の岩原教室は本来の対面式に戻した。「やっとスタート」。団体設立直後にコロナ禍で自然と声も弾む。東南アジアや南米を中心とした外国人がゴミ出しのルールや診察手続きなどの場面で役立つ日本語を学んでいる。「講師も生徒同士も文化や考え方の違いを認め合うようになれば暮らしやすくなる」と期待を寄せる。
○…広島生まれ、名古屋育ち。大学進学で上京し、結婚がきっかけで神奈川に。3人の育児をしながら、寸暇を惜しんで簿記と日本語教師資格を取得。50歳を過ぎてから都内の日本語学校の講師として教壇に立った。生徒の多くは日本の大学院を目指す留学生で、日本語で綴った論文の添削も経験。3時間の授業のために、通勤で往復4時間という日々の中で貪欲に指導スキルを磨いた。「あの頃が一番しんどかったけど、相当鍛えられた」と振り返る。
○…「オタク」を名乗るほどの古代史好き。図書館で文献を読み漁るだけでは足らず、時間が許せば神社仏閣やパワースポットを訪ね歩く。「4カ月だけ」と夫の理解を得てヤマタノオロチ伝説のルーツを辿って島根県へ車を走らせたこともある。「古代史は語り出したら延々といけちゃう」と笑う。
○…仕事を求めて来日する外国人の多くは、故郷の家族を思い、日本語を学ぶ時間よりも残業を選ぶ傾向にあるという。慣れない環境もあり、労働後の勉強は疲労困ぱいのケースも少なくない。「教室に通う外国人は生活を支援する相手であり仲間」とし、「目線の高さを互いに揃えて楽しく続けたい」と強調した。
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