森の木工クラフトの会の代表を務める 窪嶋 達雄さん 大井町金子在住 70歳
木を通じて伝える
○…「子ども達に森の大切さを伝えたい」―。思いを同じくする60〜70代の仲間達と3年前に「森の木工クラフトの会」を立ち上げた。小学校や瀬戸屋敷、自治体の催す環境展などで、木の実や枝を使って「森の動物」を作る木工教室を開く。「子ども達が木に親しみ、発想力も育める。でき上がった作品を通じて自分の個性を知る機会にもなる」。自分の子や孫と同じように、世間の子ども達の成長も助けたいという思いが根底にある。
〇…秦野市生まれ。弘法山のふもとで自然を身近に育った。高校を卒業後、小田急電鉄に入社して車掌を務めたが、目を悪くして転職。石油会社の総務を経て営業へ移り、第一次石油危機も経験した。「次に原油が入ってくる保証がなく、会社も備蓄分を開放できない状況。詰めかけた主婦のグループを説得したこともあった」。転勤で木更津や川崎に住んだ時期もあったが、家族のため緑の豊かな所に住もうと大井町に居を構えて37年になる。
〇…2001年に早期退職。2年後のある日、孫を連れて夫婦で出かけた最乗寺で仏像彫刻教室の展示会に出会った。木彫の経験はなかったが、仏像の穏やかな表情に惹かれ、すぐに習い始めたという。「仏像には彫った人の心が表れる。そこに上手い下手はない。大切なのは器用さより、心と根気強さ。無心で彫り、できあがった時の達成感が魅力」。これまでに16体の仏像を彫り上げた。
〇…ものづくりが好きで、鉄道模型を飾るため一畳分のジオラマを作ったこともある。なるべく既製品に頼らず砂利や木を加工して使うなど、創意工夫を凝らした大作だった。「孫も絶賛の出来。そのままもっていかれた」。最近は畑仕事や庭いじりを楽しむ。「これまでに培った技術や経験を、将来を担う子ども達の育成に役立てたい」。そんな思いで続ける会の活動に「さりげなく協力してくれる」奥さんにも感謝している。
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