「箱根山麓紅茶」など足柄茶の新商品開発に携わる若手生産者 菊地 敏春さん 南足柄市塚原在住 52歳
弱気だから、努力する
○…親の代からの足柄茶生産者。茶業運営委員会の副委員長で”若手”生産者としてお茶づくりを牽引する。「生産者としても足柄茶の新しい需要の形を考える必要がある」と、昨年夏から神奈川県農協茶業センターや生産者仲間と開発してきた足柄茶の紅茶が「箱根山麓紅茶」として製品化され発売までこぎつけた。「試行錯誤しましたが、”紅茶らしい”おいしいお茶ができました」と、売れ行きに期待を寄せる。
○…10代の頃から家業のお茶栽培を手伝っていた。健康ブームに乗ったお茶の需要拡大もあり、1980年に父が自宅に粗茶工場を建てた。そこから生産者としての道を歩み始めた。お茶栽培の本場、静岡をはじめ埼玉県狭山市など全国でも屈指のお茶の産地で修業を重ね、栽培から製茶までのノウハウを学んだ。「生産者としてこだわりを持ってお茶づくりに取り組むことは大切ですが、その先にある消費者の気持ちを踏まえることが一番大切なこと」だという。
○…79歳の母、妻と4人の子がいる。長女は結婚し、2人の孫にも恵まれた。自然を相手にするお茶栽培の合間を見つけては、家族での旅行を楽しみにしているが「最近は子どもたちもそれぞれ予定があって、なかなか行けていない」と少しさびし気。趣味のゴルフは南足柄市の協会にも所属。地元や生産者の仲間と県内や静岡県内のゴルフ場でプレーを楽しんでいる。
○…お茶栽培に携わり30年以上が経つが「一番茶の収穫前には毎年緊張する」という。「生きもの相手の仕事。工夫や準備を入念にしていても常に心配がつきまとう。もともと弱気で心配性なので、毎回どうしたらいいのかと、考え込んでいます」と胸の内を明かす。最盛期と比べて若者のお茶離れが懸念される昨今。「消費者のニーズを見極めて足柄茶の新しい形を考えなければいけない」と気を引き締める。紅茶への挑戦はその一里塚。
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