大井町大井中央土地区画整理組合の理事長として組合員をまとめる 露木 善一朗さん 大井町金子在住 74歳
津々浦々まわり地域に
○…大井町役場の北側にある13・5ヘクタールの区画整理地には124人の所有者と6人の借地権者がいる。この130人で組合をつくり、新たな市街地をつくる。各々が先祖累代の土地を供し新たな住民を迎え、子どもたちで賑わうであろう公園の種地とする。構想から四半世紀以上、親世代からの地域の懸案が着工目前まできた。「いい街をつくりたい。青写真の通り、計画通りに行くといい」と話し大きくうなずく。
○…1941年、大井町金子の生まれ。祖父母と両親のもとに生まれ弟2人と妹が1人いる。高校3年の秋、国鉄勤めの父の背中を追い国鉄を受験し内定したが、旧財団法人日本交通公社(JTB)に就職した。「上大井駅に向かう人を見ながら、作業着よりも背広を着たいと思った」と当時を振り返る。最初の勤務地は横須賀。朝6時40分発の列車で通勤したが2カ月経ったところで辻堂の親戚宅から通うようになった。その後、小田原支社を経て渋谷での勤務が8年続き、再び小田原へ戻った。
○…会社ではもっぱらの営業畑。主に私立学校を担当し、遠足や修学旅行で国内各地を飛びまわり「春と秋はほとんど家にいなかった」という。60歳の定年まで勤め、定年からの2年間は箱根のポーラ美術館に勤めた。全国47都道府県の津々浦々に足を運んだが、勤続30年でニュージーランドを旅して以来、意外にも奥さんと旅をしていない。
○…11年前、健康診断でガンが見つかった。幸いにも早期発見だったため手術で完治した。日焼けした顔とよく通る大きな声からは想像できないが若い頃から病気がちだった。「おかげさまで女房ともども元気。ありがたいことです」と笑い、深く頭を垂れた。来年で結婚50年。当時は小田原の老舗「だるま」で挙式し、九州への新婚旅行を自ら計画した。「顔見知りの旅館ばかりで冷やかされに行ったようなもの」と笑うが、この日、一番の冗舌だった。
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