”あーす”を変えるエコライフ 環境連載 25 自然の風で涼しく 取材協力/ステップチェンジ
「明るい風」「青い風」などという風の表現があります。昔の人は風に明るさや色を感じるほど、風と共に暮らしていたのでしょう。
9月でもまだ暑い日が続きますが、エアコンに頼らず、自然の風で過ごすことに挑戦してみてはいかがでしょうか?
風は温度の低い方から高い方に流れます。海に近いエリアでは、朝は海から山側に向けて流れ、夕方は山側から海に向けて流れるのです。まずはご自宅の周りの風の流れを調べてみましょう。「うちは風が通らなくて」という方も、夕方近くになると心地良い風が吹き始めることもあります。
次に風を通す工夫をしてみましょう。風の入り口と出口の2か所以上を開放します。入り口を大きく、出口を小さくすれば通風が強くなりますが、風の道は狭くなってしまいます。できれば「対角」で「立体」的に風の出入口を設けることです。風が家中を流れるため、体感温度を下げるだけでなく、湿気やカビを取り除く効果も期待できます。
昔ながらの京都の町屋には坪庭、座敷庭という2つの庭があり、日差しを入れたり、打ち水をすることで、人工的に自然の風を作り出していたそうです。さらに、夏には障子や座敷を風通しの良い葦(あし)や藤のものに変えたり、襖を外し、部屋をつなぐことで風通しを良くし、広々と見せることで涼しさを感じていたといいます。
猫はいつも家の中で一番気持ちの良い場所を知っていて、そこに寝そべるといいます。自然界の動物も、昔の人も暑さに立ち向かうのではなく、暑さをさらりと受け止めて、受け流す―そんな柔らかで穏やかに夏を暮らしていたのです。
「柔よく剛を制す」のように、日本の先人の知恵をうまく活かしたいですね。
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