2月20日に「ボランティアの集い」を行う南区ボランティア連絡会の会長 工藤 二郎さん 別所在住 63歳
「ありがとう」を生きがいに
○…高齢者の外出支援、手芸品作り、子育て支援など、南区内の23団体が加盟する連絡会の舵取り役を2年前から務める。市内のボランティア団体の動きを踏まえて情報交換を行う。会として最大の催しである「集い」のほか、南まつりなどでも活動をアピール。「『集い』をきっかけにボランティアを始める人も増えた。団体の裾野を広げていきたい」と意欲的だ。
○…阪神大震災が起きた1995年、ボランティア活動が各地で広まる中、別所地区でも40代を中心に高齢者宅を訪問する「たすけあい別所チャイム」が立ち上がった。テーマは「地域の顔が見える関係づくり」。活動領域は徐々に広がり、7年前には自宅を開放して母親と赤ちゃんが集える場「ほっとハウス」を設けた。当初は地域住民から「何をしているのか分からない」と言われることも多かったというが、今では年1回の芋煮会に300人以上が集まるほど活動が浸透。「『ありがとう』の言葉一つで続けられる」と目を細める。
○…「この10数年でボランティアに対する意識が変わった」という。”完全無償”が当たり前の時代から、今では受け手が交通費、弁当代を出すことも一般的になってきた。別所地区で行ったアンケートでは8割以上の人が有償ボランティアに賛成という結果も出た。それだけに担い手の役割も大きくなるが、人材不足が悩みの種。「活動の情報を広く届け、参加してもらいやすい環境を作らなければ」と目標を掲げる。
○…小学校の同級生である妻はボランティアの先輩。その父は同連絡会の初代会長でもある。「そういう血なのかもね」と笑う。市グラウンド・ゴルフ協会の事務局長も務め、1000人の会員を管理するなど多忙な日々。息抜きは将棋のネット対局。「ボランティアで人生の張りと生きがいを得られたから続けられた」。その言葉には、人の優しさを肌で感じ、自ら活動を楽しむ気持ちが込められていた。
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