12月7日にクリスマスチャリティー演奏会を行う「南区三曲会」の会長を務める 大澤 富子さん 永田東在住 76歳
愛する邦楽を次世代へ
○…日本伝統音楽の普及のため、同会を立ち上げたのは2001年。設立から13年連続で開催しているチャリティー演奏会を目前に控え「コンサートは演奏者と来場者が一体となって行うもの。当日のお客様の入りが気になる」と、心配そうな様子。
○…都内で生まれ、幼いころから「家の中に立て掛けてあった」という箏(こと)。身近に感じていた楽器だが、本格的に始めたのは高校生の時。以来、自らが「心で弾く」と表現するその楽器の魅力に取りつかれた。「中途半端にはできない」という意志の強さから「デートの時も稽古だけは休まなかった」と笑う。26歳で結婚した後も腕を磨き続け、30代半ばで師範に。現在は箏の世界で有名な流派「生田流・宮城会」の最高位となる「大師範」として、自宅で小学3年生から70代まで、10人以上の生徒にその魅力を伝えている。これまでの教え子は約50人。40年以上教え続けている生徒もおり「お弟子さんはみんな宝物。人に教えることで、教わることも多くある」と真剣な表情で話す。
○…音楽を中心とした生活の中、意外にも「スポーツが大好き。昔はバレーボールをやっていて、中高生の時はキャプテンを務めた」という。長女が小学生のころに始めた「ママさんバレー」では、アタッカーとして活躍し、全国大会で優勝したことも。「1964年の東京五輪で『東洋の魔女』を率いた大松監督に教わった」と嬉しそうに話す。
○…南区での生活は約30年になり「三曲会を通して地域のさまざまな方とつながることができた。10年以上続けてこられたのは、皆さんの応援があったから。運命的なものを感じる」と感慨深げ。三曲会では定期的な演奏会をはじめ、小学校や地区センターなどで出張講座を行っている。「邦楽の素晴らしさを多くの人に知ってもらい、若い世代に日本の伝統を継承していきたい」。熱い思いを胸に、年に一度の舞台が幕を開ける。
|
|
|
|
|
|