生徒らの作品とともに6月5日から絵画展を開く 佐久間 善行さん 六ツ川在住 64歳
執念が生む美しい絵画
○…生涯学習の一環として、住民が気軽に絵画を学ぶことができる場所を提供しようと、2012年に「横浜絵画サロン」を立ち上げた。当時、会員は10人ほど。口コミが広がり、今では区内のコミュニティハウスなど7カ所に教室を設け、会員は約70人にまで拡大。中学生から80代の高齢者までが世代を超えて絵画を楽しむ。「描くことは脳のトレーニングにも役立つし、教室を通して友人関係も広がる」と嬉しそうに笑う。
○…福島県で生まれ、幼少期から六ツ川へ。絵は小学生のころから描いていたが「美術が得意というわけではなかった」と振り返る。本格的に描き始めたのは20代前半のころ。「将来までずっと続けていけると思ったのが絵だった」と独学で学び、自分が好きな風景などを描き続けた。30歳を過ぎたころ、運送業の仕事をしながらわずかな時間を割いて専門家のレッスンを受講。「『絵をとことん追求しろ』と教えられた。うまく描くことができず嫌気がさすこともあったが、一つの作品に対する執念を学んだ」。講師の下で10年以上、貪欲に技術を高めた。
○…横浜の風景を中心とする透明水彩画を描きながら、気に入ったものは絵葉書にした。現在は市内の有名ホテルなどで自らの絵がプリントされた商品が販売されるなど、作品への評価は高い。08年からは定期的に個展も開催。「一生懸命描いたものを出展することに意味がある」。会員たちの絵画が一緒に並ぶ初めての展示会が6月5日から始まるが、心を込めて描かれた作品の素晴らしさを感じてもらいたいと意気込む。
○…趣味で30年以上続けているのが社交ダンス。地域の施設などで週2回、仲間との交流を楽しむ。「いつかダンスの指導もしてみたい」とその腕前に自信を持っている様子。「人は何かをするために生まれたのだから、少しずつでも前進したい」。強い信念と衰えを知らない向上心が、美しい絵画を生み出している。
|
|
|
|
|
|