自転車競技BMXのトップ選手で五輪出場を目指す 松下巽(たつみ)さん 弘明寺町在住 23歳
競技の未来、結果で開拓
〇…五輪種目のBMXトップ選手。国内最高峰の全日本選手権は昨年、3連覇中の選手にあと一歩及ばず2位。初優勝へ「いつも同じ相手に負けているので何とかしたい」と語る静かな口調の中にも強い決意と明確な目標が感じられる。
〇…6歳でBMXのレースを初めて見た。「ジャンプしているのが格好良かった」。コースを飛び跳ねるスリリングさと一瞬で順位が決まるレースの緊張感に魅せられ、競技にのめり込んだ。小中学校時代は水泳やバスケットボールも行っていたが、以降はBMX一本に絞った。10代後半からジムに通って下半身を鍛え、最大8人で争われるレースで最も重要なスタートダッシュを武器にした。
〇…2003年から年齢別の世界選手権に出場。国内シリーズでは09年、11年にチャンピオンになり、13年には五輪強化選手に選ばれた。しかし、世界の強豪が100人以上参加するワールドカップでは上位に進めない。「スタートで前に出られず、ちょっとしたミスでも抜かれてしまう」。武器だったスタートのタイミングが狂い始め、現在はフォーム見直し中。それでも「まだまだレベルアップできる」と言い切る。国内大会で優勝した時にゴール後、知人が駆け寄ってきて祝福されたことが忘れられない。海外でもいつかその喜びを味わいたいと願う。
〇…日本ではマイナーなBMX。自身が世界で活躍することで競技を普及させるのが最大の目標。競技の合間を見つけて子どもへの指導も始めた。「自分の将来の職業になるか分からないけれど」としながらも、業界の発展を支えている。練習とリフレッシュを兼ねて訪れるのは清水ヶ丘公園。「エノキの木の下で昼ご飯を食べていた」と笑う。全日本選手権の先には16年のリオ五輪が見える。日本代表の座は多くて2枠。「応援してくれる人のためにも頑張りたい」。レース同様、人生も世界へ向けてダッシュし、躍動する。
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