「姉さま人形」など、千代紙人形の伝統を守るための活動を続ける 酒井 佳子(よしこ)さん 六ツ川在住 69歳
全ての縁を大切に
○…50年以上趣味として「姉さま人形」を作り、フランスや北京など、海外にも作品を出展する。展示の際は直接会場に出向き、人形を置く場所や角度、色合いまで徹底的にこだわる。昔から応援してくれるファンも多く「遠方から作品を見に来る人もいる。なかなか辞められない」と笑う。
○…東京で和菓子店を営む家に生まれる。小さいころから菓子の包装紙で遊んでいた。千代紙人形を作り始めたのは高校1年生の時。友達からもらった和紙の「しおり人形」がきっかけだった。「教えてくれる人がいなかったので、一人で楽しむ程度だった」と話す。その後、千代紙人形のコンクールに参加。結果は落選だったが、入賞者のある女性の作品を見た際に、ほかの作品にはない美しさに魅力を感じ、心奪われた。その時には本人に会えなかったが、数年後、その女性が姉夫婦の仲人を務め、偶然の出会いを果たす。それをきっかけに2体の人形を譲り受け、手ほどきも受けられた。その後、作品は人伝いで知られるようになり、デパートの展示会への出品やワークショップ。中学校での人形作りの講師として招かれるようになった。
○…24歳で結婚し、六ツ川に移り住んだ。現在は夫と二人暮らし。猫3匹を飼い「由緒正しい野良猫」と笑顔を見せる。東京の下町生まれということから、人情に厚い。昔から困っているものを見ると放っておけない性格で、捨てられた猫や犬を保護し、大切に育ててきた。父が好きだった山野草を育てることも趣味。手先の器用さを活かし、さまざまなものを手作りする。「やりたいことは何でも挑戦してみる」がモットー。
○…人形作りによって、多くの人との縁に恵まれた。「私が人を呼ぶのではなく、人形たちが人との縁や機会を運んでくれる。続けられたのは、人との縁と主人の応援のおかげ」。今後も多くの出会いや縁を大切にしながら、千代紙人形の伝統を後世に伝えていく。
|
|
|
|
|
|