青葉区版 掲載号:2016年2月25日号 エリアトップへ

荏田周辺の史跡を紹介する小冊子「ぶらっとふるさと えださんぽ」を著した 木幡(こわた) 恭一さん 荏田北在住 71歳

掲載号:2016年2月25日号

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「ふるさとの重み」伝えたい

 ○…「自分の根っことなる『ふるさと』を持つことは大事なこと」。趣味で近隣の史跡などを調べて絵を描いていたが、地元商店会の依頼を受け、解説を加えて1冊にまとめた。「拙い絵だから恥ずかしい」と言いつつ、「史跡には何百年も前からつながる思いが詰まっている。地元の人たちに手に取ってもらい、何かを感じてもらえれば」と願う。その根底には、「ふるさと」への強い思いがあった。

 ○…物心がついたころからずっと、福島県富岡町で暮らしていた。「ささやかな日常」が失われたのは、5年前。東日本大震災をきっかけに発生した福島第一原発の事故の影響で、意志とは関係なく故郷を離れなければならない状況に。「あまりにも重い現実。悲しくて、本当は泣きたかったけど泣く場所もなかった」。さまざまな思いが胸を駆け巡り、重くのしかかった。

 ○…息子が住んでいたことが縁で、荏田北へ。「基本的に『楽しく過ごさないと』と思っている人間」と自身を評するが、避難してから3年ほど経った頃、後頭部に円形脱毛症が見つかった。「意識はしていなかったけど、どこかで重圧感のようなものがあったんだろうね」。それでも、「先人たちもさまざまな震災や戦争を乗り越えてきた。負けていられない」と前を向き、新たな人間関係を育んできた。「これまでも、今も、ずっと周りの人に恵まれてきた。ありがたい」

 ○…現在は、趣味の絵とスキューバダイビングを楽しむ日々を送る。これまでに潜った海は、10カ国以上。「それぞれに良さがあったね。人とおんなじだ」。些細なことでも、感謝の気持ちは必ず言葉にして伝える。ポジティブな言葉は、発することで何倍にも思いが深まり、広がっていくからだ。「ありがとう。楽しいね。そんな言葉が言える人間でありたい」。新しい「ふるさと」となったこのまちで、自然に感謝の思いが生まれる仲間たちと、楽しい日々を過ごしていく。

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