なでしこリーグ１部、日体大フィールズ横浜の新キャプテンを務める 李 誠雅（リ ソンア）さん 鴨志田町在住 21歳
新しいフィールズの柱に
○…３月28日から始まる女子サッカー、なでしこリーグ１部で戦う日体大フィールズ横浜の新キャプテンに選ばれた。サッカー人生で初めてのキャプテン就任、加えて昨季までチームの精神的な柱としてけん引してきた嶋田千秋選手からのバトン。「プレッシャーはあるけれど、今のチームの中で私が一番千秋さんや先輩たちと練習や試合を重ね、思いを伝えてもらった。日体大の伝統やプライド、諦めない心を仲間に伝え、継承していきたい」と力強く語る。
○…昨季はリーグ２部で10チーム中９位と苦しんだ１年。今年は社会人選手がおらず、リーグ参入以来初めて学生のみで戦うシーズンになる。「伝統を守りつつ、新しいフィールズを作っていかないといけない。難しくともリーグ優勝を目指して一丸で頑張りたい」
○…大阪で生まれ育ち、運動好きだった少女が「たまたま」出会ったのがサッカーだった。小学２年からスクールに入り、クラブチームを経て日体大へ。サッカーに懸けてきた人生の夢は「朝鮮代表でワールドカップに出場して優勝すること」だ。在日朝鮮人３世として日本で育つ中で差別的暴言を度々吐かれ、朝鮮人であることを隠したいと苦しんだ時期もあった。しかし、今は在日朝鮮人として生きる存在意義を学び、「揺るぎない軸」を培った。だからこそ「自分のルーツに誇りを持ち、原動力にしたい。私にしかできないことがきっとあるはず」とまっすぐな瞳で語る。
○…同大健志台キャンパス近くの寮で暮らし、近所のそば屋「更科」がお気に入り。選手同士で食事をしていると客から声を掛けてもらうことも多いという。「地域の応援が本当にありがたい。自分たちのプレーで勇気や感動を届け、恩返しをしていきたい」
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